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    第10回:堀田龍志さん
    (株式会社日本香堂 調香師)

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国内の香料会社、海外の香料会社、大手化粧品メーカー、そして今年4月に日本香堂へ。転籍しつつも、40年もの間、調香師として深いキャリアを積んできた堀田龍志さん。「香り」という作品をつくるアーティスティックな仕事の中身と、魅力に迫ります。

「面白い会社だから」と香料会社を紹介されて

「大学卒業前の就職活動時に、面白い会社だから、と紹介されたのが、本社が大阪にある国内の大手香料会社でした。私は出身が九州ですので、帰省も楽だなと、最初は軽い気持ちで入社しました。研修が終わり、化粧品の香料の部署へ配属され、実際に香りの仕事を始めて、どんどん香りづくりの面白さに引き込まれていきました。科学的要素もアーティスティックな要素もある仕事なのですね」

 子どもの頃はくんくんと食べ物の匂いを嗅ぐ習性があったそう。調香師は天職だったのかもしれません。

調香師になるのは「香りが好き」が第一条件

 今や押しも押されもせぬベテラン調香師の堀田さんですが、最初は嗅覚を訓練するところから始めたといいます。

「オレンジ、レモン、バラ、ジャスミンなど、原料香料の匂いを嗅いで、その特性を覚えることから始めました。次にフローラル、ウッディなど、グループ毎に嗅いで細かな差異を知る。天然香料が終わると、合成香料を覚えます。原料香料としては、4000~5000種類くらいはあると思いますが、調香師はだいたい、自分の香りのパレットに1500~2000品くらいをもっていますね。経験を積んだら1000種類ぐらいは嗅ぎ分けられるようになり、実際に混ぜなくてもある程度は完成した香りを想像できるようになります。」

 なんてすごい能力なのでしょう。もともと才能が必要なのではないかと想像しますが、堀田さんはそうでもないと言います。

「普通の嗅覚であれば、訓練すればそのくらいの数の香りは記憶出来るようになると思います。大事なことは根気と、香りが好きだという気持ちですね」

 しかしそんなに鼻が利いたら、満員電車などはつらそうですが。

「普段は鼻のスイッチはオフにしています。訓練すれば、スイッチをオンにしたり、オフにしたりすることができるようになるのです」

 自らの身体を使いこなす、まさに職人技です

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