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今かぐわしき人々 第214回
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    第214回:武内陶子さん(フリーアナウンサー、パーソナリティー)

    更新日:2024.7.23

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これからはロックに生きたいです。
何かをぶち壊しながら

 NHKで33年もの間、アナウンサーとして活躍し、紅白歌合戦の司会まで務めた武内陶子さん。
 3人の子どもを育てながら仕事をしてきたパワフルな彼女が、フリーで働くことを選んだ理由とは。充実の50代、自分に秘められた可能性をまだまだ探りながら、一層輝く笑顔を見せてくれました。

《1》パーソナリティーとしてしゃべる。世界を豊かにしてくれたラジオの仕事

 NHKのアナウンサーとして「 おはよう日本」キャスターのほか、「スタジオパークからこんにちは」などの司会を長らく務め、2003年には「NHK紅白歌合戦」総合司会も担当した武内陶子さん。近年は、午後の帯番組のラジオでパーソナリティーとしても活躍していました。
 33年間務めたというNHKを辞めた理由から伺ってみました。

「これからはわからない未来を生きてみたかったんです。NHKにいれば部署が変わることはあるにせよ、65歳までは働けます。その後も契約社員になれるかもしれない。NHKの仕事が嫌になったわけではないんです。あったかいお風呂のようなところで育てていただいたと感じています。でも、50代になって精神的に充実したからこそ、ここから約束のない世界に踏み込んでみたいと思ったんです。後輩もたくさん育ったし、あとは任せたいという気持ちもありました」

 特にラジオの帯番組の生放送という仕事をしたことが、彼女の目をより広い世界へ向けたようです。

「ラジオをやったことで、歯を食いしばって3人子育てをしながら辞めなかったこととか、親のこと、自分自身がチャレンジして来た点々が、線で繋がって面になって広がっていくような感覚を味わったんです。全ての経験が引き出しの中から立体的に立ち上がっていくような」

 組織の中でのさまざまなことも客観的に見え始めて来ました。

「たとえば、若い人を見ていて、このまま行ったら失敗するだろうな、とわかったりするんです。そこで、今手助けする方がいいのか、もうちょっと伸び伸びさせてあげる方が本人のためなのか。そういうことが見えたりとか。実際、ほとんど直接的に教える場面はないんです。私が見せられたのは、子育てして戻って来ていいんだとか、自由に喋ってもいいんだ、ということだったと思います」

 そういえば、武内さんのラジオでの喋りは、とても自由でした。予定された原稿を読まされているという感じがなかったのです。

「ラジオで長時間喋れと言われたときに、これはアナウンサーとしてではできない、と思ったんです。だから、わがままなんですがパーソナリティーにしてくれるんだったらやります、と。そうしたら『武内陶子のごごカフェ』という冠をつけてくれたんです」

 それはNHKではかなり異例なことでした。そこで武内さんは、リスナーひとりひとりと向き合おうと奮闘しました。

「リスナーひとりひとりの人生経験を受け止めるには、私も丸裸にならないといけない。ただお便りを読むだけではなくて、そこから私が何を感じて、どうつかみ取ってということを投げ返したかったんです。リスナーはどう思われたかわかりません。アナウンサーなのに喋りすぎだと思った方もいたでしょうね。でも私にとっては、それはすごく良かった」

 それは武内さん自身が、人生経験を蓄えた50代だったということが大きかったと言います。

「若い頃は、苦情が来てもひたすら傷ついていました。『目の下のクマが酷くて顔が暗い。あなたが出たらチャンネル変えます』なんて言われてね。みんないいことは書かない。怒りのパワーをぶつけてくるんです。『身振り手振りが激しすぎる』という指摘もありました。傷つきながらも、それを糧にね。ちょっとなんとかしてみようかと思うと、違う自分が見えて来たりして。それも大事な情報だと一旦受け入れて、少しでも改善すると、今まで苦情だった人が『良くなった。応援するわ』になったりするんです。そういうことを経て今考えると、やる気だけじゃなくて時間も必要だったのかなと思います。今ならもっと、私も相手の背景を想像できるし、そこから言葉を選べますから」

 武内さん自身、ラジオをやることで変わっていった部分もあったのかもしれません。それは周囲の反応が物語っていたと言います。

「たくさんのリスナー、そしていろんなゲストの方とお話もできて、世界が豊かになりました。テレビに出ている時は声をかけられたりしなかったのに、近所の人が『ラジオ、聴いてるわよ』と声をかけてくれるようになったんです。親しみを感じてくださったのでしょうね。トウコちゃん、と言われるようになりました。元気が出るわ、とか、勉強になるわ、とかいろんな感想もいただいて。ラジオってやっぱり本来の姿を見てもらえるんだなあと思いました」。

武内陶子さん

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