日本には四季があり、美しい自然がたくさんあります。
その自然によって生まれる素晴らしい景色は、私たちに元気や安らぎを与えてくれますよね。
そして素晴らしい景色がある場所には、必ず素晴らしい香りがあるんです。
そんな香りのある風景がずっと続くように、環境省が「かおり風景100選」を選定したことを、皆さんはご存知でしたか?
日本の豊かな香りとその源となる自然や文化・生活を一体として将来に残し、伝えていくため、環境省はインターネット等を通じて「かおり風景」を募集しました。
そして全国から集まった600件の応募から選定するために、香り・匂いの専門家や文化・ライフスタイルの専門家たちによる「かおり風景100選選定委員会」を開き、特に優れた「かおり風景」として100地点を選定したそうです。
100選には、花や樹木、潮風、温泉、みかんやカボス、りんご等の果物などの自然の香りのほか、にかわ、墨、線香、茶、塩ワカメづくりなどの伝統工芸や、地方の特産などに関わるものなど様々な「かおり風景」が選ばれました。
日常生活を過ごしているなかで「いい香りだなあ」と感じることは多いと思います。
私たち人間にとって一番記憶に残りやすいのは、視覚や聴覚、味覚ではなく、嗅覚なんだとか。
また、感情を揺さぶるのも五感の中で嗅覚が最も強いとされています。
そんな嗅覚が感じ取った、素敵な香りのある景色をずっと残しておきたいと思うことも、また素敵なことですよね。
では、実際にどのような香りの景色が選ばれたのか、ご紹介していきたいと思います!
■ふらののラベンダー
北海道の富良野周辺では、広い面積でラベンダーを畑で栽培しています。
その景色はまるでラベンダーの絨毯の上にいるような気持ちにさせてくれるんです。
また、富良野周辺の各市町は、訪れる観光客にラベンダーをメインとした様々な花の風景と香りで心やすらぐひと時を過ごしてもらおうと、ラベンダーを観光資源として活用しています。
5月から9月が見頃なので、ゴールデンウイークやシルバーウィークには多くの人で賑わうそうです。
■偕楽園の梅林
金沢の兼六園、岡山の後楽園とならび、優れた景観を持つ日本三名園の一つである水戸の偕楽園。12月下旬から3月末の長い間にわたって、梅の香りを感じることができます。
園内にある梅は約100種3000本にも及び、都市公園としては、アメリカ・ニューヨークにあるセントラルパークに次ぐ世界第2位の敷地面積を有するそうです。
樹齢200年を超えると幹がねじれると言われる梅ですが、偕楽園にはそのような古木がいくつも見られるんだとか。1842年に偕楽園と名付けられただけあって、歴史を感じられますね。