国民的美少女コンテンストで優勝し、1990年、デビューした小田茜さん。結婚、出産、子育てで芸能界を休んでいましたが、最近、43歳で復帰を宣言しました。彼女の心境は、30数年、どう変わっていったのか。終始明るい、変わらぬ笑顔で、語ってくれました。
年齢を聞かなければ本当に40代とは思えないピカピカの肌と、スレンダーなスタイル。でもその表情はとても大人っぽくなって。10数年ぶりに芸能界へ復帰した小田茜さんは、輝く笑顔を向けてくれました。
国民的美少女としてデビューしたのは、12歳のとき。
「小学3年生の頃から、芸能界に入りたいと思っていました。ダメもとで応募したら、あれよあれよとグランプリになってしまったんです。その瞬間から、目まぐるしく人生が変わっていきました」
学校は午前中で早退し、午後からは隙間なく撮影や仕事が埋まっているスケジュールに。
「考える間も無く、とにかく日々の仕事をこなさなくてはと。グラビア、週刊誌の表紙。いろんなことを求められるんですが、できないことも多かったです。これでいいのかなという葛藤もありました。たとえば小さなことで言うと、好みじゃない洋服を着せられて公園で『もっと笑って』と言われて泣きたくなったり。でもちゃんとやらなくちゃいけません。そういう自分を意外と覚めて見ている自分もいました。『あ、私、今日はのってるな、今日はのれないな』と。気持ちの波があるなかで、ちゃんとやらなければという葛藤ですね」
当時のスタッフはまだ子どものような彼女にとても優しかったそうです。
「『次のカメラマンさんは怖くて有名だよ』と聞いていて、でもぶっきらぼうなだけで優しい人だったり。おかげさまで、場数を積めたのはありがたかった。レッスンを長く続けても本番で最高の自分を出せない人がいるという話を聞きますが、私は本番しかなくて、本番で鍛えられていったのでしょう。それはすごい緊張感をたくさん経験したということだと思います」。
ドラマにも、彼女は心身体当たりで臨んでいました。その緊張感がマックスだったのは初めての主演をした『いちご白書』。小田さんは中学2年生で高校生のヒロイン役を演じたのです。
「親の離婚とか、初めての恋とか、当時の世の中の過激な部分を切り取ったようなドラマでした。中2だけど高校生の役だし、背伸びしなくちゃならない。キスシーンもあって、それもトイレに連れ込まれていきなりキスするというシチュエーション。実は私、うぶだったんで、プライベートでまだキスの経験もなくて。そのドラマでファーストキスをしてしまったんです」
翌日のスポーツ紙にはそれが大きく取り上げられました。
「嫌でしたよ。母には相談しました。すごく複雑な気持ちでした。10代、20代。仕事であらゆることを経験させてもらいました」。