「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言われていた占いですが、何千年もの間、形を変えながらも続いてきたその中にはなんらかの知恵があるのでは。30年以上にわたって、実践者としても研究者としても占いシーンを牽引されてきた鏡リュウジさんに2025年はどんな年になりそうか、どんなことが人間のテーマになりそうかを伺いました。12星座別にワンポイントのアドバイスと幸運の香りについても教えていただきました。
AIやロボットの躍進。これまでの季節感を狂わせてしまうほどの気候変動。世界中に勃発する紛争、戦争。占星術に興味がなくても、多くの人が「大きな転換期」に差し掛かっていることは体感しているはずです。
鏡リュウジさんは、昨年の第168回のインタビューでは、主に「風の時代」の意味を語っていただきました。2020年に始まった風の時代はおよそ200年続きますが、2025年はさらにどんな細かい星の動きがあるのでしょう。
「このところ急速に時代が動いていますが、その変化はまだ続きそう。冥王星、海王星、天王星という時代を創るとされる星が次々に星座をまたいで移動しているのが重要です。そのなかでももっとも遠大なサイクルをもつ冥王星に注目しましょうか。星座にもよるのですが、冥王星は一つの星座に十数年から20年以上にわたってひとつの星座にとどまり、その星座が象徴する社会的な事象を大きく揺るがすとされているのです。例えば1980年代、冥王星が蠍座に入ったときに、AIDSショックが起きました。蠍座は占星術では「性」を象徴しているんですよね。次に射手座に移動したのが95年。そう、Windows95に象徴されるインターネット元年です。射手座は「グローバリズム」を象徴するんです。そして2008年、冥王星が山羊座に入ったときに、リーマンショック。山羊座は社会の根幹にあたる経済や権力のありようですからね。
これまでを振り返ると、面白いように大きく変革を迫られるジャンルが冥王星の星座移動で示されているわけです。」
つまり、冥王星がどの星座に入るかで、世間に極限まで広がるものが何か、が浮かび上がって見えるということ。
では25年は?冥王星は山羊座から水瓶座へと移動するという。
「冥王星は去年ぐらいから山羊座と水瓶座を行ったり来たりしたんですよ。ほら、“帝国”なんて言われていた会社が終焉を迎えたりもしたでしょう?政治家もこれまでのような権威をもつことが難しくなった。冥王星がテクノロジーを象徴する水瓶座に入ったときに、ChatGPTが大きく話題になったんですが、面白いことに冥王星が山羊座にいったんもどったころに、法整備はどうする?なんて話題も出てちょっとトーンダウンしちゃった。でも、時代の流れは変えられません。2024年11月20日、冥王星は水瓶座に移動して、今後20年、この星座にとどまります。これから水瓶座が象徴するテクノロジー、人間性、そして”知性“が大きくその存在感を変えていくことになるんじゃないでしょうか。」
その変化はどんなかたちをとるのでしょう??
「占星術では『予言』はできませんからね、、具体的なことはわからないけれど、テクノロジーをめぐるドラスティックな変化と言えば、たとえばこのままGAFAが強いのかどうかはわかりません。まったく注目されていなかったようなところから新しいテクノロジーが出てくる可能性もあります」。