化け子さんの動画配信の対象は40代50代以上の女性と、最初から今まで言い切っている。しかし、当初はメイク動画として観にくる20代30代の女性たちから、批判のコメントも入った。
「『何を言ってるかわからない』とか『シミとかシワとか、そんなのレーザーでとっちゃえばいいじゃん』とか。痛かったですね。それが今は42万人になったからこそ見方が変わった。『この動画を見ながらお母さんにメイクしてあげたい』とか『おばあちゃんに教えてあげたい』とか」
彼女は対象にブレないだけではなく「すべてヘアメイクで解決する」というスタンスも変えない。
「シミをレーザーで、たるみを糸リフトで引き上げるという医療美容を否定するつもりはありません。それで心が前向きになればそれでもいいけれど、私の立場としてはヘアメイクで貫こうと思っています。私はヘアメイクを伝える身だから。シミがあるから、シワがあるから、たるみがあるからキレイじゃないとは思わない。魅力というのはその人のあり方であり、根本だから。そのあり方を整えるためにメイクがあればいい。メイクで心、生活、自分を満たしてほしいという想いなんです」
5冊目の著書『化け子のオキテ。』も、その考えが一貫している。
「シミやたるみはその人が素敵になることとまったく関係がありません。私だって、仕事で日に焼けてシミがあったから、皆さんにこれをどうしたらいいかを伝えることができた。いかし方、って人それぞれだと思うんです。だから、まず『私のシミはどういう状態か』という現実を把握して、具体的にそれをどうしたらいいか、なんですよ。今回の本で言いたかったのは『自分の観察のしかた』を知ってもらうこと。そこにはネガティブな感情はいりません。ひとつずつ、気持ちが楽になることからやってみる。冷静に自分の顔を観察できるようになる本です」
化け子さん自身、YouTubeを始めるにあたって、自分の顔をじっくり観察したのだという。
「シミのある、すっぴんの顔を晒すことができたのは、そんな自分の顔を観察したおかげです。恥ずかしくはない状態まで、顔を観察し、心を観察しました」。