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今かぐわしき人々 第40回
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    第40回:山下久美子さん(シンガー)

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そぎ落とされた美しい姿から溢れ出る声は20代の頃よりいっそう、みずみずしくなめらか。「The sweet Sixty」と題したライブを大盛況のうちに終え、ますます元気な山下久美子さんに、その若さの訳と歌うことへの思いを伺いました。

《1》

2月23日に行われた東京・渋谷マウントレーニアホールでのコンサートにつけられたタイトルは『The sweet Sixty』。
『Sweet16』ならぬ『Sweet60』。つまり還暦ライブだったのです。

「楽しんでいってくださーい!」

愛くるしい声は永遠。満場の拍手とともに「総立ちの久美子」と言われたまま、歳を重ねたお客さんたちも一斉に立ち上がります。
そこで気持ち良さそうに歌う久美子さんには、還暦という言葉より、やはり「sweet60」がぴったりです。
1980年、『バスルームから愛をこめて』でデビュー以来、39年間の楽曲から選りすぐりの曲を歌います。

「今回はファンの方たちからリクエストを募って、上位の曲で構成しました!」

懐かしい、耳馴染みのある曲ばかり。長年歌われてきた作品群はひとつずつが輝く宝石のようで、すべて久美子さんとファンの財産なのです。
アンコールでは、彼女の兄貴分的存在の大澤誉志幸さんが登場、新曲を披露し、ますますパワーアップ。ラストはソウルフルに久美子さんが一人で「My Way 」を歌うと、感動して涙するファンもたくさんいました。

インタビューでは、このコンサートについてのことも語ってもらいました。

「みなさんから好きな曲を募集したのです。ベスト3だけを本番で発表しました。リクエストには1人だけがこの曲を選んだ、みたいなのもたくさんあって、全曲が網羅されている感じでした。『よく覚えてるなー』と驚きましたね。思いがこもっていて嬉しいです」

こちらが驚くのは、本当にますます伸びやかな久美子さんならではの歌い方が進化していること。

「昔は喉のことを気にもとめずに歌っていましたよ。それに意味もなく動き回っていてね(笑)。今は体がちゃんとしていないと声が出ないと思うので、ほどほどに気をつけています。心地よい程度に泳ぐのは36歳のときからの習慣になっています。苦じゃなくやっているの」

贅肉のないスタイルに相変わらずセンスの良い、シンプルな大人のロック・ファッションが素敵です。

山下久美子さん

《2》

91年に出産後は、子育てを中心に、少しライブ活動などは控えめだった久美子さん。2013年に、長年の友人である大沢誉志幸さんとコラボレーションしたアルバム『& Friends』で本格的に復帰となりました。

「大きな流れが出てきたのは、あのアルバムからだと思います。子育て中は本当にそっちが中心だったから、レコーディングも16時に終わらせてご飯の支度をしたりしていましたから。ツアーもなかなか行けなかったし」

でも子育てに集中した時間も、またかけがえのないものだったのです。

「ある意味、音楽を休んだのかもしれない。休むのも大事なことでね。忘れられるんじゃないかとか思う人もいるらしいけど、私はそんなふうに不安にはならなかった。物理的に無理なんだもん、って思えました。とは言え、どっちも中途半端だったかもしれないですよ。だけど、自分のなかでは子育てが中心で、そういうふうに過ごしてよかったと、今は思っています」

しかし、歌うことはいつも、久美子さんの胸にあったのでした。

「私の人生に歌うことがなかったら、おかしくなっちゃっていたかも。歌うことは大切です。いつまで歌えるのだろうと思うけれど」

先輩たちの姿が、そんな久美子さんに勇気をくれます。

「先日、BSの歌番組で由紀さおりさんにお会いしたのです。一緒に歌わせてもらって、真横で聴いていてまったく若い頃と変わらないんです。そんなに頑張ってるふうでもなくて。そういうお姿を見ると、勇気が出ます。『久美子さんは独特のスタイルをもっている。それを大事に貫いて』と言っていただいて、嬉しかったですね」

若い頃のようにポップスやロックに限らず、これからうたいたい歌にもさらに広がりが出てきている様子。それは一つの確立した「久美子スタイル」があるからこそなのでしょう。

「歳を重ねて、詞をすごく深く受け止めらるようになっているのかもしれません。たとえば『さとうきび畑』のような曲を聴くと、なんかいいなあ、泣くなあ、これ、って思えたりするんですよ。スタンダードの曲も歌えるようになったり、いろんな可能性を感じています。こだわらずにいろんな曲を歌うのはありかな、と」

ご自身での作詞、というのもチャレンジしてみたいひとつだそうです。

「最近、書いていないのですが、新境地にたどり着けたらいいな。漠然とではなくて、そういう気持ちになれたらいいなと思っています」。

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