アロマオイルでマッサージされて気持ちがいいのは人間だけではありません。もともと親子二代のアロマテラピストだった西村早苗さんは、ある時期から、イヌへのアロマテラピーを考えだしました。
「私は実際にイヌを飼っていたこともあり、最初はそのノミやダニなどの害虫予防の意味もあったのです。それから、日本のイヌたちが狭い家のなかで飼われてすごくストレスがかかっている状態も、アロマでケアできるのではないかと思うようになりました」
しかし嗅覚が優れているイヌたちにとって、アロマの香りは強すぎないのでしょうか。
「イヌの嗅覚は香りの判別能力に長けています。香りの強弱には問題がないようです。天然のエッセンシャルオイルの香りは嫌がらないですね。むしろ、化学的に合成された香りは嫌がりますね。」
西村さんは東京・西麻布でイヌたちへのセラピーを行う生徒を育成するジアスセラピストスクールを主宰しておられます。
実際に、生徒の呉紀子さんを指導する様子を見せていただきました。
呉さんの愛犬はノアちゃん、6歳。
「全身を触りながら、その仔の体の張っているところを見つけてほぐしていきます。この仔は走るのが好きで、昨日も大きな公園で2時間ぐらい走ったので、太腿が凝っています。ほうっておくと、胸のあたりの筋肉までカチカチになっちゃう。若いイヌも若いなりに、運動をしたらほぐしてあげないと、どんどん動きも悪くなるんですよ」
なるほど、マッサージしてもらっているイヌはとても気持ちよさそう
「精神的にもかまってもらっていることがわかっているような気がします。飼い主の自己満足かもしれませんが、マッサージを習慣づけていくと、お散歩したときの反応も違うような気がするのです」
いえいえ、リアルに拝見していて、気持ちよさそうです。