お留守番が苦手な落ち着きのないイヌ。シニア犬で動きの鈍いイヌ。テンションが高すぎるイヌ。… 個体差はありますが、日本香堂は西村さんに4種類のタイプの「アロマワン!」をプロデュースしてもらいました。
「お留守番ができない仔にはラベンダーとイランイランの『さびしんBOW』。びくびくしておかあさんのそばを離れない仔にはオレンジがメインの『あまえんBOW』、テンションの高すぎる仔にはペパーミント系の『きかんBOW』、シニアで寝てばかりの仔には脳を刺激するローズマリーの『だまりんBOW』。この仔はこれ、と決め付けず、状況に合わせて何種類かを使い分けるのもいいかもしれません。ただ、かがせてみて好きな香りを使ってあげることが大事ですね。必要な香りに反応しますから。とにかく、人間と同じで、個々に違うことを忘れないでください。」
アロマオイルタイプは人間の手のひらに適量を伸ばしてから、なじませてマッサージを。スプレータイプはブラッシングに使うのがおすすめとか。もちろん、臭いが気になるときにルームスプレー的にも使えます。
ジアスペットアロマセラピストスクールを卒業した生徒たちは、全国の様々な場所で活躍しています。
「しつけとセラピー、トリミングとセラピーといったように、ペットアロマセラピーを組み合わせて活躍しておられる方が多いですね。たとえば、イヌにとってトリミングは大きなストレスですから、アロマがあれば、それを軽減することができるのです。人間と同じで、気持ちよくなればその場で寝てしまう仔もいるのですよ(笑)」
ペットアロマセラピーは一頭一頭と向き合うことから始まります。こうすればこうなる、という簡単なマニュアルはありません。
「一頭一頭の悩みを聞いて、ケアの仕方を提供できるようになるのがプロのペットアロマセラピスト。そういう人を一人でも多く育てたいと思います。」
西村さんは依頼があれば、様々な動物へのアロマテラピーにも出かけていきます。これまで、馬から爬虫類にまで施術したそう!
「トカゲは反応しました。イグアナも香りをかがせると反応がよかったですね。でもヘビはダメだった。土のなかにいるからかしら。ジャングルのなかには、自然の匂いがいっぱいあるから、そこにあった匂いに反応するのかもしれませんね。地域と、そこに生きる動物がどんな香りに反応するのかは、まだまだフィールドワークとして調べてみたいと思っています。」
ちなみに猫にもアロマは使えるのだそう※。
イヌと人間の近しい関係、アロマにも通じているのかもしれません。
※猫は、人や犬とは肝臓代謝機能が違うため、専門家の指導を受けることをおすすめします。
●ジアスセラピストスクール
〒106-0031 東京都港区 西麻布1-4-9 村田ビル2F
℡0120-001-792
http://theearth.jp/
取材・文 森 綾
https://moriaya.jimdo.com/
大阪府生まれ。神戸女学院大学卒業。
スポニチ大阪文化部記者、FM802編成部を経てライターに。92年以来、音楽誌、女性誌、新聞、ウエブなど幅広く著述、著名人のべ2000人以上のインタビュー歴をもつ。
著書などはこちら。
撮影 上平庸文
http://uwadaira.com/index.html