もともとは「無香料派」だったという武さん。体調を整えるアロマの存在を身をもって知り、更に身の回りの人へとその「使い方」を広めていくことに。武さんは、自分の状態を知るツールとして、もっとたくさんの人がアロマと親しくなるように、さらに研究し続けているのです。
子どもの頃、香りが苦手で、自動車のなかの芳香剤の香りで車酔いをしていたほどだったという武さん。
「香りが苦手だったので、化粧品を使い始めてからも、無香料のものを使っていました。今思えば、合成香料がダメだったのかもしれません」
そんな彼女がアロマと出合ったのは、エスティシャンになって、勉強せざるを得なくなったからでした。
「最初は嫌々だったのですが(笑)。私は生理痛がひどかったのですが、試しにゼラニウム、ベルガモット、サイプレスのブレンドオイルを作ってみたのです。そのオイルを試しに塗ってみたところ、30分ほどしたら痛みを忘れていました。偶然かなあと思い、翌月も試してみたら、やっぱり楽になりました。それから、いろいろ試してみるようになりました」。
花粉の時期つらい時も、シュッシュとマスクにユーカリなどをスプレーして寝るとぐっすり眠れるように。それから、どんなものが何に役立つかを研究し始めたといいます。
「ラベンダーをアロマポットに入れてたいたら、頭がずーんと重かったのがいつの間にか消えていたり。体調、肌荒れなど、自分の体でどんどん試してみました。もちろん、失敗談もいっぱいありますよ」。
武さんが失敗して感じたのは「使いすぎ」がよくないということでした。
「たとえば、ラベンダー。これも使いすぎるとだるくなってしまいます。使いすぎてすっきり目覚められないという人もいます。柑橘系の香りは、皮膚への刺激が強いのと、酸化が早いので、皮膚に直接つけるのはNGだったり。日光でシミになってしまったりします。イランイランも、使いすぎで吐き気、頭痛を招くことがあります」。
そこで、香りの入り口として、プロが絶妙の配合で、良質のエッセンシャルオイルをブレンドしたものを使うのがおすすめなのです。
武さんが開発にも携わったのが「aroma vera」という100%ピュアなエッセンシャル・オイルを使ったシリーズ。もともとはカリフォルニアのブランドでしたが、日本人用に香りのバランスを整え、今は日本で生産されています。
「レスト(lest=休息)には2種類あります。アクティブ・レストとネガティブ・レストです。ネガティブ・レストは体を動かさない休み方。睡眠や音楽を聴くなどがそれです。アクティブ・レストはいつもとは違う筋肉を動かすことでリラックスするという休み方。動き回っている人がヨガをするとか、プロゴルファーが水泳をするというような感じです。そこにさらに香りを使ってリフレッシュすると、パフォーマンスがより上がります。そこでまた香りをかいでおくと、いい結果の記憶がその香りに結びつきます。そんなコンセプトに寄り添えるような香りをブレンドしているのです」。
武さんが特に気に入っているのが「アクティブビューティー」という顔にも使えるトリートメントオイル。
「美肌ケアに最適なアルガンオイル、ローズヒップオイル、月見草オイル、スクワラン、カレンデュラオイルをベースに、ゼラニウムやフランキンセンスなどのエッセンシャルオイルが配合されています。ゼラニウムには、肌の弾力を回復してくれるゲラニオールという成分が含まれていますし、フランキンセンスは樹脂で、やはり皮膚の回復機能を高めてくれる。他の化粧品なら数倍しそうなほど、良質なオイルなので、私は旅行に行くときはこれ1本で、クレンジングオイルにも使っています」。