木と、永遠。KITOWA。神代の昔から続く日本の木と人の心をテーマに、最高級の香りをつくろう。… そんな志をもとに、高貴な香りのブランドができあがりました。和木のゆかしい香り、世界で活躍する日本人女性デザイナーの凛としたパッケージ、400年の伝統をもつ有田焼の最新の陶磁器。
プロジェクトの3人が目指した世界観を尋ねます。
保科さん、澤谷さん、尼野さん。3人で立ち上げたプロジェクトは、世界に誇れる「MADE IN JAPAN」の最高級の香りのブランドを作り上げることが目的でした。
「今まで日本にはなかったラグジュアリーな香りを作りたかったのです。それはきっと、世界の高感度な人たちに愛されるものになるだろうと想像がつきました」
海外事業部でもある保科さんは、日本香堂だからこそそれができると信じていました。
しかし、香りが「上質である」とはどういうことなのでしょうか。感覚的に「上質」かそうでないかを嗅ぎ分けることができたとしても、そこに具体的にどういった香料が使われ、どういうブレンドがなされているのか。保科さん、澤谷さん、尼野さんのプロジェクトはその問いかけからスタートしました。
「まずは日本発のブランドだから、日本の伝統的な和木を使おうというコンセプトがありました。しかし、そのままでは単に自然のままの木の香りです。そこに何を重ねることが必要なのか。世の中で発売されているいろんな香水を買い集め、その香りと和木との組み合わせを、この人しかいないという熟練の調香師と徹底的に話し合いました」。
伝統的な和木として取り上げたのは、ひのき、ひば、くすのきの3種類。
澤谷さんが説明してくれます。
「ひのき、ひば、くすのきの3種類の和木の香りをメインに、ファイン・フレグランスを調香して、奥行きのある香りを求めました。日本の調香界を長年歩んできた熟練の調香師が、香りに深さと洗練を与えてくれたのです」
たとえば、くすのきは屋久島産の貴重な楠のエッセンシャル・オイルが使われていますが、単にその香りがするだけではなく、それを引き立てる効果的な柑橘系の香りが添えられています。
「自社で材料を最高級のものに吟味し、すべてを調合しました」。
出来上がった3つの香りは、なんとも清々しく、上品。清潔な気を思わず深呼吸したくなるような印象があります。