12年の歳月をかけてサントリーが開発した奇跡の青いバラ『サントリーブルーローズ アプローズ®』。
日本香堂は近年、この希少なバラの香りと出逢いました。
そしてこのバラの唯一無二の香りをお線香に練り込むことに成功。
2023年2月、『Blue Rose』という専門店向けの高級お線香としてデビューしました。
堀田龍志調香師に、このバラのもつ独自の香りについて、そしてそれをお線香にどうリアルに生かしたのかをこっそり教えていただきました。
調香師として40年以上のキャリアをもつ堀田龍志さんは、大手化粧品会社で香水の調香も手がけたことのある名手。まさにバラの香りの香水も作られたことがあるそうです。
「過去に私が手がけたのは、赤いバラをイメージした香水でした。赤いバラは華やかで甘い香りというイメージですね。バラの香りは大きく7つに分類されます。(6つに分類しているところもあるそう)そのなかの一つにブルー系という香りがあるのです。もともとバラには青い花の遺伝子はないそうですが、色的には紫に近いものをブルー系と呼んでいたようです」
サントリーが開発した青いバラ『サントリーブルーローズ アプローズ®』は、独自の香りをもっていました。
「サントリーが開発した青いバラ『サントリーブルーローズ アプローズ®』は、これまでのブルー系と言われていたバラ、『シャルル・ド・ゴール』や『ブルームーン』とは明らかに違う香りをもっています。それらのバラに共通するスパイシーな香りの成分が『サントリーブルーローズ アプローズ®』には無いようです。『サントリーブルーローズ アプローズ®』の香りはダマスクモダンとティーローズが混合されたような香りで、そのダマスクモダンのバラらしい成分がほんのりと、ティーローズのすみれのような香りは、かなり引き継いでいます」
では『サントリーブルーローズ アプローズ®』の香りは、言葉で言えばどう表現されるのでしょう。
「青リンゴ、レモン、すみれ。そういった香りが感じられますし、成分がしっかりある。それがこのブルーのバラ『サントリーブルーローズ アプローズ®』の特徴ですね。初めて生花をかいだ時の印象は、一般的に想像されるバラの香りとは明らかに違う、ということでした。その爽やかさのなかには、青リンゴやレモンのほかに青葉の香りもありました。非常に鮮明な印象でしたね」
実際に青いバラ『サントリーブルーローズ アプローズ®』の花をかがせてもらうと、爽やかで清々しい、気品に満ちた香りだと感じました。こちらが浄化されるような、静かで押しつけがましくない香りなのです。