以前、環境省が選定した「かおり風景100選」についてご紹介しましたが、実は「かおりの樹木225選」というものがあることを、皆さんはご存知でしたか?
日本の四季によって生み出される素晴らしい自然の風景と、そこにある香りがずっと続くように選定された「かおり風景100選」。その風景を彩るのは様々な樹木や草花です。季節の訪れを知らせる四大香木の「春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)、秋の金木犀(キンモクセイ)、冬の蝋梅(ロウバイ)」は、なんとなく聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?これら以外にも、香る樹木や草花はたくさんあるんです。
環境省が「かおり環境」という新しい考えを基に「かおり風景100選」を選定した後、におい・かおり環境協会、日本アロマ環境協会と共に「かおりの樹木・草花」を用いた「みどり香るまちづくり」企画を実施することになりました。
その際、日本植木協会ベテラン会員の協力を得て、花、葉・枝・幹、実などの香りの部位、香る時期、距離によって感じる香りの強さや、樹形や花といった4つの要素から「かおりの樹木225選」を選定したのです。
私たちが普段感じる自然の香りは、様々な樹木と草花から感じているんだということが改めてわかりますよね。そんな自然の香りをいつまでも感じられるように、そして増えていくように、「かおりの樹木・草花」を用いた「みどり香るまちづくり」企画は毎年行われています。
では、実際に選ばれた香りの樹木をいくつかご紹介した後に、そろそろお花見の季節ですので、オススメのお花見スポットもご紹介いたします!
沈丁花(ジンチョウゲ)
四大香木にも選ばれている沈丁花。爽やかな甘い香りで、春が来たことを知らせる花として有名ですね。沈丁花という植物名は日本でついた名称で、香木の沈香のような匂いとスパイスの丁字(チョウジ)のような花を咲かせることが由来になったそうです。
大島桜(オオシマザクラ)
日本の固有種である大島桜。伊豆大島にある樹齢800年の「大島のサクラ株」は特別天然記念物として認定されています。ほとんどの桜は香りがありませんが、大島桜は桜餅のような香りがします。一般的には大島桜から桜餅の葉が作られているそうなので、そんな香りがするのも納得ですね。
ラベンダー
アロマの王様、ハーブの女王とも言われるラベンダー。初夏から初秋にかけて咲き、長い間楽しめるその香りは、葉や花を少し揉んだりすることでさらに増します。そんなラベンダーですが、実は39種類もあるんだとか。紫ではなく、ピンクや白の花をつける種もあるそうです。
梔子(クチナシ)
大きな純白の花を咲かせて強い香りを漂わせる梔子。ジャスミンに似たその香りは、初夏の訪れを知らせてくれます。名称の由来は、秋になると赤い実をつけ、その実が裂けないことから「口無し」と転じた、という説が最も有力なんだそう。
金木犀(キンモクセイ)
秋の香りとして日本人が感じることの多い金木犀。うっとりするような、どこか懐かしい香りが特徴的で多くの人に親しまれています。金木犀といえばオレンジ色の無数小さな花を連想すると思いますが、白い花をつける銀木犀(ギンモクセイ)という種類もあるそうですよ。
蝋梅(ロウバイ)
蝋でできたような甘い香りを持つ蝋梅。透き通った黄色い花は、水仙や梅、山茶花(サザンカ)と並んだ雪中四花のひとつでもあるんです。耐寒性、耐暑性共に優れているとされ、育てやすいと人気になっているんだとか。雪の降る中、鮮やかで優しい黄色と、甘い香りで癒してくれますよ。
いかがでしょうか?
写真を見れば知っている樹木が多いと思いますが、その名前をしっかりと認識することってあまりないですよね。特に春はかおりの樹木が多いので、これから色付いていく樹木や草花の香りを、お花見などで改めて感じてみるのも良いでしょう。
では、最後にそんな春のかおりの樹木225選に選ばれた大島桜を楽しめる、都内のオススメのお花見スポットをご紹介いたします。