「夏も近づく八十八夜」というフレーズを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?文部省唱歌の「茶摘み」の歌い出しの歌詞で、初夏の茶摘みの光景を歌ったものと言われています。この歌が「八十八夜=お茶の時季」というイメージを定着させたと考えられているそうです。
そんな八十八夜ですが、皆さんはその歴史や由来をご存知でしょうか?
八十八夜は季節を知らせる「雑節」のひとつ。
雑節とは、季節の移り変わりの目安のために設けられた特別な暦日のことで、他にも「節分」や「彼岸」などがあります。この雑節は、日本人の生活文化や気候風土に合わせて作られた日本独自のものなんです。
そんな雑節のひとつである八十八夜は、春から夏に移り変わる節目とされる立春の日から88日目のこと。毎年1日程度のズレはあるものの、大体5月2日頃が八十八夜になるそうです。八十八夜と呼ばれるようになったのは江戸時代からとされ、昔の人々は「夏の準備を始める日」として捉えていたんだとか。また、末広がりで縁起の良い「八」が重なることや、「八十八」を組み合わせると「米」という字になることから、農家の人々にとっては「縁起の良い日」ともされているそうです。