マラソン、野菜ソムリエ。…常に心と身体に向き合って健やかさをキープしている長谷川理恵さん。息子さんも4歳になり、子育てしつつもまた少し自分に注ぐ時間もできた様子。
自然と近しく暮らす湘南の地で、WabiYoga™のインストラクターの資格を取得、それを広める活動も始めました。WABI YOGAとはなんなのか、また生活のなかでの香りとの付き合い方について、お話を伺います。
すっと伸びた背筋が美しい長谷川理恵さん。WabiYoga™との出会いも、その美しい姿勢が連れてきたようです。それは息子さんを茶道教室に連れていったときのことでした。
「鎌倉の宗徧流という家元のところに、名月会という3歳からできる子どもの茶道教室があるんです。そこへ息子を連れていったとき、家元夫人の山田宗里さんと出会い『あなた、姿勢がいいわね。別ブランドで行っているWabiYoga™のインストラクターを育てたいのだけど、やってみませんか』と誘われたのがきっかけです。息子は雰囲気が怖くて泣きだしちゃったんですけど(笑)」
WabiYoga™とは、Wabisuki Academyが提供するグローバルリーダーの身体と心を軽くしなやかにし、自分と出会い、地球とつなげるための方法論です。
理恵さんはちょうどそのとき、ヨガをやろうと探していました。
「産後に少しピラティスに通ったりもしましたが、40代に入って体調の変化もあって、マラソンよりも穏やかな静の動きを求めていたんです。でもみんながやっているものはつまらない。WABI YOGAの話をうかがったとき、マラソンに出逢ったときのような新鮮な感覚があったので、のめりこんでいきました。半年間、週に2回、宗里さんのもとへ通いました。マンツーマンだから逃げ場がないし、必死でしたね」
自らを「これと思ったら突き進む猪のような性格」と評する理恵さん。半年でインストラクター3級の資格を取得。2級、1級とさらにハードな動きが加わったり、和服の着方や庭の知識も入ってくるそうですが、学びながらも教えることを始めました。
「先日はオーストラリアのアデレードで、イベントをしました。もちろん現地に正座の文化はないので、皆さん『足が痛い』とおっしゃるのでは、心配しましたが、それは私の取り越し苦労でした。午前はアデレード在住の日本人、午後は現地の人を指導しましたがスムーズに動かれていました。最後はもちろん、お抹茶を一服。『すごくPeaceful な気持ちになれた』と喜んでもらえましたよ」
理恵さんと現地の人々とのPeacefulな様子に感動したのか、4歳になる息子さんも「おかあさん、お辞儀の練習がしたい」とねだったほどでした。
理恵さんはWabiYoga™を生活のなかにも取り入れています。
「お茶室は身をかがめてくぐるような入り口から入ります。そこで違う世界に入っていく、気持ちを新たに落ち着けるという意味なんですね。WabiYoga™ のお稽古も少し照明を暗くしてやります。家でもお茶室代わりの空間を作るのです。流木、和ろうそくなどを置き、お香を焚きます。心を落ち着かせる白檀のような香りがよいですね」
理恵さんは友人のスタイリストさんに和服風のウエアもデザインしてもらいました。足袋を履いての所作ですが、動きが大きくなるのに合わせ、ボトムスはパンツ、腰には帯ベルトを締めます。
「一般の方にはまずワークショップで参加してもらいますが、最初は動きやすい格好でよいと思います。でもだんだん、これを着たくなるかもしれませんね(笑)」
今後は国内でもワークショップを開催していく予定があります。
「京都で芸妓さんを集めたワークショップをやろうという話があったり、金沢でMEGUMIちゃんが古民家カフェを始めたので、その2階でやる予定があります。 来年は口コミだけで、月に1~2回、お茶室でのお稽古も考えています。まずはインストラクターが何人か必要ですから」
実際にお辞儀の所作をしてもらうだけでも、腰からしっかりと折り曲げて頭を垂れる動きはとても優雅で美しいものでした。