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今かぐわしき人々 第111回
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    第111回:小宮山雄飛さん(ミュージシャン)

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 このほど25周年を迎えたホフディランのシンガーソングライターとして、また今や食のコラムニストとして、連載多数。多方面で活躍中の小宮山雄飛さんは、良い意味で気負いのない、生粋の渋谷っ子。彼にしかない穏やかな空気が漂っています。そんな彼に渋谷のど真ん中で話を聴くことができました。

《1》ホフディランはどのように生まれたか

 1996年、シングル『スマイル』でデビューしたホフディラン。ワタナベイビーさんと小宮山雄飛さんとのユニットですが、出会いは小宮山さんの従兄弟の友達がワタナベイビーさんだったことから。

「ワタナベイビーは僕より5歳年上でした。彼はもともと1人で曲を作って、宅録でカセットテープに入れて、学食で友達に売っていたんです。その時からすでに、彼はギャグでホフディランと名乗っていました。話を聞いて変わった人だなあと思いましたが、曲を聴いたら本当にすごかった。僕も音楽をやっていましたが、この人と組んだら売れるだろうなあと確信しました」

 ワタナベイビーさんの曲は小沢健二さんやスチャダラパーさんの認めるところに。

「オールナイトニッポンで、曲がかかったんですよ。それで、TOKYO No.1 SOULSETの川辺ヒロシさんが出してみようと言ってくれた。渋谷のクアトロで彼らがワンマンライブをやるときに、前座で素人の僕らを出してくれたんです。ワタナベイビーは1人で宅録してたわけですから、急遽、メンバーを集めることになり、その1人が僕でした」

 その時のバンドはコーラス3人を入れた6人編成。

「僕はまだ学生でした。手伝いでやっていましたが、曲も作っていたので、聴かせあったりしているうちに必然と2人が残りました。それで、卒業と同時にデビューしたのです」

 音楽家という道に就職することを選んだ小宮山さん。これでいけるという自信があったのでしょう。

「どうかな(笑)。就職活動は何もしてなかったんで。運のいいことに、デビューの話がちょうど卒業のタイミングで来たんです。それより前なら大学を中退していたし、後なら、他の仕事を何かしていたかもしれません。デザインには興味がありました。コピーライターになりたいと思ったこともあって、一時期コピーライティングの学校へも通っていました。まあそれも一時的なことで。子どもの頃からずっとやり続けていたのが音楽だった。ミュージシャンにはずっとなりたかったんです」

 ミュージシャンになりたい人は世の中にごまんといるでしょう。しかし、本当にプロのミュージシャンになれるのは一握り。そして25年間もの間、聴かれる音楽を送り続けることができるのはさらにそこから僅かです。

「なんか、ミュージシャンになれたんですよね。なんでなれたのかなあ…」

 独り言のように呟く小宮山さん。でもこれからのことを尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「取り立てて音楽をやっている、という意識がないのかもしれません。やっていることが普通すぎて。ご飯を食べるとか、生活をする、その営みの中に音楽が普通にあるのです」。

小宮山雄飛さん

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