ジャズバンド・Calmeraのフロントでサックス奏者として、また今年2月にはアルバム『Vermilion / ヴァーミリオン』で、クラリネット奏者としても改めてデビューし、クラリネット奏者としては初のブルーノート東京公演も果たした辻本美博さん。
クラリネットとの出会いから今に至るまでの努力と情熱は、爽やかな笑顔の奥にありました。
ホーンセクション主体の8人組のジャズバンド、Calmeraを私が初めてライブで見たのは、3年前。「ゲッターズ飯田×Calmera -better fortune’n jazz-」でのことでした。
Calmeraは2006年結成。ジャズ好きや、楽器も手にしているような人に人気のバンドとして知られていましたが、ゲッターズさんとのコラボで知った人も多いかもしれません。
「もともと、以前、飯田さんの所属事務所のマネージャーだった人(担当は別)が、今の僕らのマネージャー。その市川氏が飯田さんに占いは全部ノートに残した方がいいとか、10年は続けた方がいいとかアドバイスされたそうで、飯田さんはそれをすごく恩義に感じておられるようで。そのご縁でCalmeraのライブに足を運んでくださったのが出会いでした。飯田さんは我々のライブをすごく面白がってくださって『恩返しより、恩送り』と、Calmeraを全国に広めようとツアーを企画してくださいました」
ゲッターズ飯田さんは、辻本さんのことをこう語ります。
「辻本さんは、移動中、車に乗っていても運指の練習をしているような人です。僕の五星三心占いでいうと、40番の金の時計座。下一桁に0番をもっている人は理屈が好きで何かを極める星。反復の大事さを知っている人です。よく喋るし人懐っこいから、みんなに好かれる。Calmera と一緒にやろうと思ったのは、すごくポップスに近い面白いジャズだったから」
Calmeraでの辻本さんは、真ん中で元気に炸裂するように演奏しています。
「どんなバンドで、どの楽器を使うか。Calmeraでサックスを吹いているときの自分は、サックスが武器みたいなところがあります。演奏は、まず、聴いてくれる人がどうなって欲しいかを心底考えるんです。例えば、カフェでコーヒーを飲んでいる人たちに向かって演奏するなら、クラリネットの方が馴染むかもしれない。でもカフェなんだけど、あえてミスマッチな感じでクラブイベントをしたい場合だったら、ハイテンションで元気なサックスを選ぶと思います」
今年からはゲッターズ飯田さんとのイベントも少しずつ復活していく様子。
Calmera初心者はここから参加するのもいいかもしれません。
「コロナ以前は、一般人の人も楽器を持参して参加できるカルメラオーケストラというプロジェクトもやっていました。めちゃくちゃハッピーなイベントなんです。老若男女、立場、職業など、さまざまな垣根を越えて一緒に演奏する。楽器を持つと、壁がなくなるんですよね」
楽器のせいだけではなく、Calmeraというバンドの音に人と人の垣根を越えさせる何かがあるのかもしれません。
ゲッターズ飯田さんは、それを感じたのかも。