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今かぐわしき人々 第116回
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    第116回:千倉真理さん(ラジオパーソナリティー、絵本プロデューサー)

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 アイドルの歴史を紐解くと、「女子高生」の前に「女子大生」がもてはやされた時代がありました。今も文化放送で『ミスDJリクエストパレード』でしゃべる千倉真理さんは、まさにその女子大生DJの草分け。初めてラジオのマイクの前で話した日から、今年10月で40周年を迎えます。変わらぬ愛くるしさと、生き生きとした声。しかし今日に至る彼女は、結婚、海外での出産、夫との死別、出版社の経営に携わるなど、自身のドラマティックな人生と真摯に向き合ってきました。千倉さんの声を聴いていると元気が出てくる理由が、そんなところにあるのかもしれません。

《1》よくわからずコンテストに。気がつけば人気DJ

 文化放送で現在も放送中の『ミスDJリクエストパレード360』がスタートしたのは、2016年10月。「もう一度ラジオで喋ってみませんか」という局のプロデューサーからの誘いに、千倉真理さんは最初は悩んだと言います。

「2015年に、やはりミスDJだった女優の川島なお美さんが亡くなったんですね。その時、なお美さんの追悼番組を吉田照美さんとやらせていただきました。この前、番組にいただいたリスナーさんからのメールには、「なお美さんが『真理、もう一回やれば』と背中を押してくれたんじゃないですか。」と書いてありました。それからもう5年やらせてもらって。ひたすらリスナーの皆さんとスタッフに感謝ですね。今はもう、私が喋り始めた頃にはまだ生まれていなかった若いスタッフがほとんどです」

 どんな時も楽しげに明るく、楽曲を紹介しながらリスナーに声をかける千倉さん。40年前は、よくわからないままそのコンテストに応募したのだそう。

千倉真理さん

「『女子大生でラジオに興味のある方!』というラジオからの呼びかけに応募したのは大学1年生の時ですから、19歳。9月にコンテストがあって、どんな番組をやるのか、よくわからないまま受かってしまいました」

 千倉さんを推薦してくれた審査員長は、加藤タキさんと野末陳平さん。

「この子じゃなきゃ僕らは審査員を降りる、とまで言ってくださったんだそうです。私はどこの事務所にも所属しない全くの素人。誰かのアシスタントをするのかと思っていたんです。そうしたら、1人喋りで、しかも深夜12時半から3時の番組だと。2週間後には本番で、もうどうなるんだろう、という感じでした」

 ご本人のドキドキをよそに、たくさんのリスナーに愛され、人気DJとなった千倉さん。

「『大学生DJをやったからといって、タレントでやっていこうとか思わないほうがいいよ。』と文化放送の社員さん達は言ってくれていました。ただ、その後も、とても興味深い番組の企画をいただいたこともあり、じゃ、モラトリアムの期間として勉強させてもらおう、と。結局、20代は他の番組もフリーでやっていました」

 28歳で結婚。お相手は10歳年上の外務省の官僚。30代からイタリア、タイ、カナダ、フランスと順に在住。イタリアとタイでは出産も経験しました。

「イタリアでは初めての子育てで、親や親戚もそばにいなくて、だんなさんも仕事に行ってしまうので、孤独な感じでした。でもタイやカナダは楽しかったですし、フランスもよかったですね」

 夫と次の勤務地のことなど話していた矢先、千倉さんの運命を左右する大きな出来事があったのです。

千倉真理さん

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