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今かぐわしき人々 第125回
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    第125回:斎藤誠さん(シンガーソングライター)

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 デビューから39年、自分の歌の世界を深めながら、桑田佳祐さん、サザンオールスターズのサポート、他のミュージシャンのプロデュースとその才能を惜しげなくシェアしてきた斎藤誠さん。8年ぶりのニューアルバム『BIG LOVE』はそのタイトル通り、斎藤さんの大きな愛が詰まった13曲入りの傑作。斎藤さんの曲に桑田佳祐さんが詞を書き下ろした『涙のMidnight Soul』も話題です。

《1》『BIG LOVE』は書き溜めた曲を厳選して、13曲で出来上がった物語

 パワフルな歌声、かき鳴らすギター。そのイメージとはまた違う、穏やかな笑顔と静かな語り口。斎藤誠さんは、第一印象から優しさが伝わるような方です。
 ニューアルバム『BIG LOVE』は、なんと13曲入り。アメリカンなロックンロールからブルース、ディスコっぽいリズム、バラード。… 70年代、80年代、90年代、すべての世代のエッセンスを取り入れつつ、今も新鮮で心に来る名曲がずらりと並んでいます。
 前作からは8年ぶりの渾身作です。

「前作から8年経っていたのですが、その間何をしていたかって、ツアーをやりつつ、8年間、曲を書いていたんですよね。だから倍以上の曲を作っていて、そこから13曲を選んだという感じです。これという曲を選んで、レコーディングが決まってから、それぞれを1曲ずつ整えていきました。もうこれで最後になってもいいくらいの覚悟で作りましたね」

 バラエティに富んだ楽曲の数々は、それでも「アメリカンポップロック」という言葉に集約されるのでしょうか。

「アメリカの音楽は大好きなんですが、一時期、そっちへ行きすぎたらダメかなと思った時期もありました。でも、この年になったので、垣根を作らずに、素直に、好きにやろうと」

 確かに気負いなく、楽しそうな音が溢れています。1枚のアルバムにあるストーリーを聴くのは、サブスクリプションで1曲ずつを聴くのとは違う醍醐味が。

「まるでライブを聴いてもらうように、曲を並べてみたんです。『荒野のダンステリア』あたりで立ち上がってもらう、というような。だから、曲と曲の間を何秒にするかとかまでこだわっています。まったく空けない場合もあるし、3秒以上空けるところもある。空いているところは、拍手があるところですよ!」

 なるほど、曲と曲の間には文章と文章の行間のような効果があるのでしょう。全部まとめて最初から最後まで聴くのが心地よい。このアルバムには、まさにそういう物語があり、それを体験しながら聴くのが楽しいのです。

斎藤誠さん

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