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今かぐわしき人々 第148回
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    第148回:クリスチャン・ボラーさん(トゥールダルジャン 日本代表総支配人)

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 1582年、パリのノートルダム寺院の前に建てられたオーベルジュにルーツをもつレストラン、「トゥールダルジャン」。当時の国王、アンリ3世も訪れたというこのレストランは、パリ屈指の名門レストランとして伝説を作ってきました。1984年、ホテルニューオータニ東京に開業した「トゥールダルジャン 東京」もまた、数々の「日本で初めて」を提供してきたのです。
 その「トゥールダルジャン」のエスプリを日本で開業以来守り続けるクリスチャン・ボラーさんは、香りのプロフェッショナルと言ってもいい方。
 微細な香りにこだわるようになった理由とその心について、お話を伺いました。

《1》医学を志していた青年にレストランの文化全てが任された

 トゥールダルジャン 東京は、ホテルニューオータニのなかで格別にしつらえられた趣があります。
 エントランスには、当時、パリ本店を訪れたという国王・アンリ3世の肖像画があり、大きなアレンジメントフラワーが出迎えてくれます。
 ウェイティング バーからレストランへ入ると、大きなシャンデリアと庭園の見えるガラス張りの空間に圧倒されます。
 総支配人、クリスチャン・ボラーさんは、このトゥールダルジャン 東京の全体を取り仕切っています。彼が現れるだけで、空気が変わりました。まるで空気に神経が行き届くような、品位が加わるようなイメージ。
 彼はこの伝統あるレストランのオーナー一族ではありましたが、来日する前は、医学を学んでいたそうなのです。

「叔父が形成外科医師会の理事長をしていたのです。美容整形ではなく、事故などで体の一部を損傷した人のための再建医療ですね。私もそれに興味があったので、最初は医学を勉強していました。最先端の脳手術や指を切断された人の神経の繋ぎ方など、今とは無関係に思える勉強をしていたのです」

 医師になるはずの運命を変えたのは、ある年のクリスマスのことでした。

「テライユ社長が我が家のクリスマスパーティーに来ていて、たまたま話をしたのです。大きなプロジェクトがあるが、やってみないか、と。それは、トゥールダルジャンを東京でオープンさせることだったのです。しつらいからサービス、人材の育成。全てを若い私に任せるというのです。私はまず海外に行くことにとても興味がありました。それで、医学を辞めて法律やマーケティングを学び、26歳の時、日本へ来ました」

 もともと、嗅覚も敏感だったというボラーさん。

「鼻がすごくいいので、調香師になったらどうかと言われたこともあります。脳の勉強をしていた時、香りの研究もしました」

 そこでボラーさんは香りと感情(emotion)の密接な関係を学んだといいます。

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