2023年は、うさぎ年。そして水晶玉子さんの「オリエンタル占星術」では「井宿(せいしゅく)」の年だそうです。世の中全体を見渡しても、あまり心浮き立つようなニュースが流れてきませんが、新しい年はどんな年になるのでしょうか。
西洋、東洋の枠を超え、空海が日本にもたらした「宿曜経」を学び、自らの解釈で独自の占いへと昇華させている水晶玉子さんに、2023年の特徴と、この一年をどのように暮らすべきか、アドバイスをいただきました。
長らく東洋と西洋の占いをどちらも研究し続けている水晶玉子さん。まずは「風の時代」の始まりと言われた2020年からの2022年にかけての大きな変化を教えていただきましょう。
「六十干支で言うと、2020年は庚子(かのえ ね)の年でした。さながら大きな岩石がぶつかってきて、小さなねずみのように散りぢりになる時だった。コロナ禍で人がばらばらに分断されましたね。2021年は辛丑(かのと うし)。丑に「系」をつけると「紐」という言葉になるようになんとかつながろうとする年。人間はなんとか繋がりを保とうとした。そして2022年は壬寅(みずのえ とら)。虎が茂みから飛び出てくるように、驚かされることのある年。まさにウクライナ侵攻などが出てきましたね。壬は、陽の水の気、海を象徴します。散り散りになり、繋がったものが、混沌とした海のようになったイメージでしょうか。戦争、円安、物価高。まさに自分が今どこにいるのかわからない、どっちへ行っていいのかわからない、大海の中で不安になっているような年でしたよね」
誰もが大海の中に放り込まれたような気持ちだったのでしょうか。そして、2023年は癸卯(みずのと う)。少しはこの不安は取り除かれるのか、気になります。
「癸卯(みずのと う)の癸」は、水は水でも陰の気で、雨、雫のイメージです。ぐちゃぐちゃにいろいろ入り混じった水をきれいにする年。2023年は混乱を整理し、濁った水が濾過される年です。具体的には、今後育てていきたいもの、終わるもの、必要なもの、不要なものをゆっくりと仕分けしていく時なんです。そして雨の雫もうさぎも小さくて数で勝負するものですから、少しずつ積み重ねたこと、小さいものが集まることで力を持つ変化が起こっていきます」
十二支では60年に一度同じ干支の年が訪れるわけですが、60年前の1963年は前回の東京オリンピックの前年です。1964年から様々な新しいものが生まれていき、新しいサイクルが始まっていきました。
「東京オリンピックの前年の1963年は小さな労働力が集まって東京都いう都市を大きく変えたと思うのです。ですから2023年も、新しい時代を始める準備が整っていくでしょう。濾過には時間がかかるように、いきなりは変わりません。じっくり考えて、これは必要、これは不要と決めていく。つまり2023年は、終わるものもあり、始まるものもあるという年なんです」
一方で西洋占星術でも、この傾向が見られるといいます。
「来年3月7日に、試練と制限の星・土星が12星座最後の星座である魚座に入ります。終わっていくものは多いし、特に昭和のお作法みたいな前時代的なものは終わりそう。ひょっとしたらロシアや中国の指導者たちもそんな昔の大国の夢を追いかけているのかもしれません。おじさんたちの夢が終わり、次の夢が始まるのです。幸運と拡大の星・木星は2022年12月20日から牡羊座に入ります。十二星座最初の星座・牡羊座は新しいものの始まりを意味します。そういうふうに見ていくと、西洋占星術でも、終わるものと始まるものがはっきりしていく傾向があるのです。こういう時代は、自分には何ができるか、どうしたいかをしっかり考えることで運気が良くなりますよ。たとえあなたが何歳であったとしてもね」。