「もしかしてだけど」「○○な女」など、弾き語りネタで笑わせてくれるどぶろっくのお二人。日常の観察から歌が生まれるというお二人の感性は、香りについても奥深いものがあります。
コンビ名の由来は「どぶのような男(森慎太郎)」と「ろくでもない男(江口直人)で、どぶろっくだそうですが、二人は保育園の頃からの友達どうし。
「女性の趣味なんかは気持ち悪いくらい似てるんです。僕が江口の背中を追いかけているんですけど(笑)」(森)
「でも一人の女性を取り合ったりはしないです。効率の悪いことはお互いにしないから、どっちに脈があるか話し合ったりします(笑)」(江口)
と、のっけから恋愛ネタで笑わせてくれたお二人。当初は普通の漫才をやっていたのだそう。
「『あらびき団』という番組で、普通に出るつもりだったんですが、待ち時間に曲を作っていたら『そっちでいきましょう』ということになってしまったんです。 そのときは登場するモデルさんに対する思いを歌っていたんですが、それが評判になって、どんな番組にでも弾き語りネタで呼ばれるようになりました」(森)
今や、日本中で知られるようになったどぶろっく。売れっこになった実感はどんなところにあるのでしょう。
「最初は若い人にしか声をかけられなかったんですが、2~3年目からおじいちゃん、おばあちゃんに知ってもらえるようになって、うれしいですね」(江口)
「歌の内容から、アダルトビデオを借りにくくなりましたけど。ハードルが上がった、というか(笑)」(森)
「もしかしてだけど」の歌ネタのなかには、咳き込む女性を見て「俺のフェロモンにむせているんじゃないの」という歌詞が出てきますが、森さんは匂いや香りについては人一倍興味があるといいます。
「一度、香りの鑑定士の資格を取ろうかと思って、ユーキャンで資料を取り寄せたことがあるんです。匂いの仕事、って素敵だなあと思って。匂い、香りって、思い入れと直結していますから。そのときそのとき、つきあっていた女性を匂いで覚えていたりします。三越の地下1階とか通ると、誰かのことを思い出したりして。懐かしくなると地下1階へ行く、みたいな」(森)
「デパートで嗅ぐような香水の香りはちょっときれいすぎるかな。香水に、シャンプーとかその人の家の匂い、その人自身の匂いがまじって完結するんじゃないですか」(江口)
「確かに。女性の足の爪の端にたまった匂いが好きなんですけど、香水もちょっとくさい臭いと配合したほうがいい匂いになるそうだし!(笑)」(森)
「最初に付き合った人はその人の家の香りがしたのだけど、次の人が強烈で。煙草を吸っている人だったので、それが香水の匂いと混じり合っていました。煙草の臭いってあまり好まれないけれど、女性というフィルターを通すとまたこちらの気持ちが変わってくる。匂いってやっぱり思い入れなのかな」(江口)