女性ネタになると話がとめどなく広がっていくお二人。ちょっと書けないくらいな話もしてくださいましたが、それは弾き語りネタに回してもらいましょう。
でも根っこのところは、きちんとした方たちです。
「うちの母親は、毎朝仏壇でお経を唱える人だったので、いつもお線香の匂いがしていました。だから、線香の匂いをかぐと母親を思い出します」(森)
「うちも父方、母方と仏壇が二つあって、般若心経で目覚める、みたいな。家の香り、土地の香りってありますよね。たまに故郷の佐賀へ帰るのですが、福岡空港に着くと、湿ったような九州の匂いがします。帰ってきたな、と思いますね」(江口)
森さんの九州の香りはとんこつの匂い。
「とんこつ臭ってあるんです。九州のラーメン屋さんはそれが濃い。むしろ『ここ、臭いから行ってみるか』くらいなところがあるんです。東京にもとんこつラーメン屋さんがあるけど、そんな匂いは減らしてある気がしますね」(森)
どぶろっくは今も九州の匂いを少しまとっているのがいいところ。これからやっていきたいことは。
「僕らにしかうたえないような歌をうたっていきたい。あやうい匂いのする男、あやうい匂いのする芸人でありたいですね」(江口)
「今の若い人たちはなかなか恋愛しなかったりするそうですけど、僕らを通じて開放的な気持ちになってほしいと思います。そして女のコには勇気を出して告白してほしい。積極的に恋愛を楽しんで、人としてぶつかってほしいですね」(森)
ゆず、リリーフランキー、福山雅治、糸井重里、桑田佳祐 各氏から絶賛されているとのことです。表現としても評価の高いどぶろっくの弾き語り。老若男女を問わず、「男と女」という普遍のネタで笑いに迫る彼らは、これからもっともっと愛されていくことでしょう。定期的にライブも行っているようなので、ぜひ足を運んでみてください。
どぶろっく プロフィール
2004年9月コンビ結成。保育園から大学まですべて同じ学校。
お笑いコンビとしての他にミュージシャン「どぶろっく」としても、都内ライブハウスや各種音楽フェスなどにも出演中。
会場によっては「どぶろっかーず」という6人編成ロックバンドとして出演する場合もある。MBS『歌ネタ王決定戦2015』決勝進出など、各所で注目を集めている。
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 ヒダキトモコ
https://hidaki.weebly.com