ビジュアル系でメジャー・デビューしてから20数年。その美しくも妖しいファッションで、今度はシャンソン歌手として注目を集めているKayaさん。2023年11月に発売された作詞家・及川眠子さんプロデュースのミニアルバム『renaître』(ルネートル)は、オリジナル曲とともに『リリー・マルレーン』や『ランバダ』といった懐かしいメロディも。2月19日に渋谷プレジャープレジャーでのライブでは、朗読とともに披露されます。視覚、聴覚、嗅覚を満たす独特のアプローチは、南米など世界各地でも注目を集めています。
普段は肌のキレイな今時の好青年ふう。しかし、ひとたびゴージャスなドレスを纏えば、圧倒的な存在感を醸すKayaさん。
実は21年前に「Schwarz Stein(シュヴァルツシュタイン)」というデュオでデビューしていました。
「キーボードとボーカルのデュオです。MALICE MIZERのMana様のプロデュースでデビューしました。今でもMALICE MIZERのメンバーさんとはライブをご一緒したりしてお世話になってます。」
デビュー当時は日本でのビジュアルバンドブームでしたが、10年前には南米で日本人ビジュアルバンドのブームが起こり、今もブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなどでとても人気があるそうです。
「だからコロナ前は毎年のように海外、特に南米に行っていました。2023年の10月に久しぶりに4度目のメキシコへ。来年3月にはチリとボストンでライブをします」
もともとそのデュオ時代は激しくシャウト系などを歌っていたKayaさんでしたが、もともと、華やかな衣装や、ドラマティックな歌への憧れがあったといいます。
「子どもの時から、化粧や華やかなものは大好きだったんです。3歳のとき、地元のお祭りのカラオケ大会に出て、スポットライトを浴び、ああ、この光のなかにずっといたい、と思いました。美輪明宏さんが好きだったんですが、20歳のとき、憧れの美輪明宏さんが歌うシャンソンという音楽を聞いてみようと思い、聞いてみるとその世界に衝撃を受けまして。シャンソンってひとりミュージカルみたいだし、お芝居のセリフのようでもある。ひとりでステージに立って歌うって素敵だなあと。それで2007年頃からシャンソンを歌い始めたんですが『そんな若造がシャンソンをうたっても』と言われたこともあります。
でもね、盆栽だって若い苗木から育てるものでしょう。私は若いなら若いなりのシャンソンもあると思っていました。今は早くからやっておいてよかったと思っています」
憧れの加藤登紀子さんとも自らがプロデューサーを務める新春シャンソンショウなどで共演
「2019年に『DRESS』という女性の歌手の歌ばかり集めたカバーアルバムを出したんですが、そこで中森明菜さんの『難破船』(※作詞作曲が加藤登紀子)を歌わせていただきました。先に録音をお送りして、うたってもいいですか、と。それでOKをいただいて。『時には昔の話を』も大好きで、ライブでよく歌わせていただいております」。