2016年、YouTubeに登場したピコ太郎の『PPAP』は、世界的な大ヒットとなり、モノマネなどの類系の動画を含めれば数十億再生回数にのぼる勢い。彼をプロデュースした古坂大魔王さんは、今、地元青森県のりんごを盛り上げようと一念発起しています。今だから話せる大ヒットへの道のり、そして今、行き着いた青森りんごのブランディング・プロジェクトについて語っていただきました。
金ピカの衣装に角刈りと怪しい口髭。ピコ太郎がYouTubeに現れたとき、いったいこれはなんだろうと思った人は少なくなかったでしょう。しかし彼が歌う超絶にシンプルな『PPAP』はそのダンスとともに世界を駆け巡り、あっという間に誰もが知るところの人気者に。
古坂さんもピコ太郎現場には常に同行をしているので、彼の思い出はピコ太郎の思い出でもあります。
「一番の思い出は、トランプ大統領が安倍首相に会ったとき、トランプさんの孫が『PPAP』を真似た動画をあげていたのを『見ましたか?』『あなたのお孫さん、かわいいね』と話題になったということですね。ピコ太郎は二人に会っているんです。トランプさんって、すごくいい香りがするんですよ。すごくいい香水をつけているんだと思いました。いい香りがした人って、ずっと憶えているじゃないですか!」
イスラエルのテレビで使われたり、アフリカのテレビで使われたり。サッカーの久保選手がバスのなかで踊ったり、少女時代が踊ったり、さだまさしさんが『和風PPAP』を歌ってアップしたり。真似をした類系動画は数知れず。
「ピコ太郎のあのファッションはタイの国王にそっくりで、踊りは海外でも盛り上がりました。とにかく、PPAPというものをぽんと投げたらダイヤモンドになって戻ってきたようなものですね。でもあの楽曲はずっともっていたんです。
『PPAP』のトラックは、1997年にあったコンビの時にやっていた『テクノ体操』というコントのBGMです。実はカバーだったんですよ!」
足掛け25年という長い間、あたためられていた『PPAP』。その時代にこそ、古坂大魔王さんの地道な積み重ねがあったのです。