人気ドラマ『相棒』でseason2からレギュラーメンバーとなり、芹沢慶二役でおなじみの山中崇史さん。8月から撮影が始まる『相棒23』にも、もちろん登場します。『相棒』というドラマの凄さ、そして劇団扉座での舞台俳優としての面白さ。エネルギッシュな表情で、身振り手振りで語ってくださいました。
スポーツカーで颯爽と現れた山中崇史さん。爽やかで明るい印象が漂います。
『相棒』ではseason2から芹沢慶二役でレギュラー陣として活躍していますが、実は第1話には役名がないまま登場していたのです。
「season1の第1話で、スナイパーの役でちょこっと出ているんです。警視庁の総監室が泉谷しげるさん演じる犯人に乗っ取られてしまい、犯人を狙撃せよという特命が下り、僕はヘリコプターから狙撃するという役柄でした。本当にヘリコプターに乗って、身体を半分外に出し、後ろからディレクターが下半身を抱えてくれている状態で…。いやあ、怖かったですよ。でも面白かった。こんな経験はなかなかできないですからね。結局、亀山刑事が盾にされてしまって『亀山が邪魔で撃てません!!』という状態で、結局狙撃できずじまいで終わるという役でした」
しかしその後、season2が始まり、第4話で芹沢という刑事の役で登場します。その後も出たり出なかったりでしたが、season3あたりからは「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれるようになり人気に。
「3人のポンコツ刑事、というのを面白がってくれる人が出てきたんですね。それで芹沢もレギュラーになっていったんです。幸運だなと思いますよ。このドラマには31歳から関わったので、20数年。ただ作品にずっと出ていると、役が染み付いちゃって他の仕事がやりづらいという人もいるようですが、僕は関係ないかな。刑事役が長いせいなのか凶悪犯などの役はまわってこないですね。追う役ばかりで追われる役はあまり演っていません」
しかし、最近出演している『雲霧仁左衛門』では、やっと追いかけられる役が回ってきました。
「僕は盗賊の手下の役なんです。ただ、人を殺すとか弱い者から盗むという役じゃない。悪い奴が貯め込んでいる悪い金をそっくり盗み出すという話ですから。面白いですよ」
悪に名を借りた善、という役どころ。しかし、追われる役、変な人の役もどんどんやってみたいのが役者魂です。
「悪人、変態、やってみたいですね。劇団扉座では結構いろんなことをやらせてもらっているので。パンツ一丁になるとか、どっちかというとおバカなこともやっています。だから『相棒』で知って、劇団の芝居を見にきてくれたお客様は驚いて帰られます。『こんな人だったのか』と(笑)」
インタビュー中の山中崇史さんは、役のどれでもない、やる気いっぱいの若々しい素敵な方です。