2月27日。同じ誕生日に生まれたTamaさん(ピアノ)とYukiさん(パーカッション)から結成されたユニット、227。2025年はその誕生日に13周年記念ライブを渋谷・セルリアンタワー能楽堂で開催することになりました。インディーズでありながらオリジナル曲の『Stars』がテレビ東京『美の巨人』のテーマになるなど、実力で活躍のステージを広げつつあります。
取材に伺ったこの日は、227のお二人がプライベートでもよく訪れるという、杉並区『白兎珈琲店』でのライブが開催されていました。
超満員のお客さんたちがかぶりつきで聴くのは、Tamaさんの音色豊かなピアノと、さまざまな楽器を魔法のように操るYukiさんのパーカッション。その二つの楽器だけで、迫力と一体感のあるサウンドが空間を満たします。
結成して13年。二人が出会ったのは、東北大震災の2日前のことでした。
Tamaさんがその日のことを語ってくれました。
「下北沢のライブハウスで、光永泰一朗さんというミュージシャンのライブがあったんです。Yuki さんはその日は出演はしていなくて、観に来ていたんです。私は出演を頼まれて、演奏していました」(Tama)
そのライブ後の打ち上げで、二人は連絡先を交換しましたが「家が近い」という程度の立ち話しかしなかったそうです。
Yukiさんは言います。
「まだガラケーの時代でした。家が近いということが、その後、キーになって。あの地震があり、メールも使えない状態で、唯一ツィッターしかなかった。そこにTamaさんが『マンションの10階だから怖い』と書き込んでいたんです。それで私は思わず『うちへ来たら』と書き込んでいました」
コロナ禍と同様、あの震災時も、すべてのコンサートやライブが中止になりました。
「その後、共通の知り合いのYohei NakamuraくんがTwitterでの私たちのやりとりを見て、ライブを二人でサポートしてくれないかと。それが初めて二人で音を重ねた日になりました。その後、別のアーティストに『二人ともガラケーのアドレスに227ってあるけど、ひょっとして同じ誕生日なんじゃない?』と言われて。家が近い、誕生日が同じ、ということで、2歳違いなんですが、気づいたら遊ぶようになりました。24時間営業のファミレスで、ドリンクバーだけで朝までいたりしましたね(笑)」(Tama)
最初はただの遊び仲間だった二人でしたが、同じ誕生日なのだから、バースデーライブをやろうという流れに。
「私たち二人の縁をくれた光永さん、キンモクセイのギターの後藤さん、前述のNakamuraさんらで集まって、もう今はない恵比寿の天窓.switchiというライブハウスで1回目のバースデーをやったら、満席になりすぎて、もうちょっと広いところでやろうという話になりました」(Tama)
その後、すぐにテレビ東京の『美の巨人』のエンディングテーマに二人の『Stars』が選ばれたのでした。