熊川哲也さん率いるKバレエカンパニーのプリンシパルとして、伸びやかに艶やかに踊る宮尾俊太郎さん。これまで経てきた道のりと、8月22日、23日に東京・なかのZERO大ホールで開催される「青島広志のバレエ音楽ってステキ!」の出演への思いについて、楽しく語っていただきました。
宮尾俊太郎さんは、Kバレエカンパニーの芸術監督である熊川哲也さんと同じく、北海道の出身。バレエを始めたのは14歳と、遅かったと言います。
「僕が16〜17歳の頃。バレエを始めて3年ほどが経って、何かチャンスはないかなと思っていたとき、地元で講習会を開催していたフランス人の先生が、パリ・オペラ座で名を馳せたモニク・ルディエールというバレリーナだったのです。彼女が『今度、カンヌでバレエ学校の校長になるから、そこで学びませんか』と声をかけてくださり、留学することに決めました」
バレエダンサーを目指すひとの多くが、有名バレエ学校へのスカラシップがあるコンクールへ出場する時代。留学を経て、宮尾さんもプロのバレエ団を目指し。オーディションを受けにフランスのボルドー、スイス、ノルウェー、ドイツのハンブルグと移動しました。
「スペインのマドリッドで3ヶ月暮らしたときは、入居したマンションが古い木造で、ゴキブリがすごかった。殺虫剤をまいたら、天井からバラバラ落ちてきたくらい。人生で初めて、そしてもう二度と経験したくない、ゴキブリの雨でした(笑)」
帰国後は、居酒屋やコンビニでバイトをしながら、もうバレエのことは諦めかけていたそう。
「地元の北海道に戻りましたが、父親に『家に戻るなら生活費を入れろ。さもなくば出ていけ』と言われました。しばらくは、温泉付きのホテルの地下にある居酒屋で働いていたのですが、ある時そ このオーナーが『昨日、Kバレエの熊川哲也さんがうちを打ち上げで使っていたよ』と教えてくれたのです。そのとき、僕は何をやっているんだろうと思った。そっち側の世界に生きているはずなのに、って」
1年後、宮尾さんは東京で行われたコンクールに挑戦しました。上京した宮尾さんは東京でのレッスンを受け、幸運にも熊川さんに踊りを見てもらうチャンスがやってきたのです。
「それがきっかけで、Kバレエカンパニーに入団することになりました」。