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今かぐわしき人々 第48回:森覚さん(ソムリエ)
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    第48回:森覚さん(ソムリエ)

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A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクールで、2010年、2013年、2016年と連続して日本/アジア・オセアニア代表として出場し、2016年の第15回アルゼンチン大会では58カ国61人の出場者のなかで8位となった実力をもつソムリエ、森覚さん。
サッカー少年で教員を目指していた森さんがソムリエを志し、どうやってその地位を確立していったのか。そして、ワインの「香り」をいかにして表現していったか。楽しいお話に酔わされたひとときでした。

《1》

     

森覚さんは子どもの頃から、ずっと教員になりたいと思っていたのだそうです。

   

「小学生のときは小学校の先生になりたいと思い、中学生のときは中学校の先生になりたいと思っていました。大学2年までは、教職をとって、母校の高校に戻り、もともと所属していたサッカー部のコーチも兼任するつもりでした」  

   

そんなまっすぐな森さんは、大学3年のとき、テレビの『情熱大陸』でソムリエの石田博さんが初の世界大会にチャレンジするのを見て、衝撃を受けました。  

   

「’98年でしょうか。単純に石田さんが格好いい、と思ったのですよ。タブリエに蝶ネクタイ、トゥール・ダルジャンの制服姿でしょう。それに、石田さんが桜美林高校のピッチャーで甲子園を目指していたという話も胸にくるものがあった。僕はサッカー。スポーツを本気でやっていたら、誰だって日本代表に憧れます。ソムリエで日本代表になる。それに挑戦してみたいと思い立ったのです」

   

翌日、森さんはソムリエ協会に電話していました。

     

「ソムリエになりたいのですが、どうしたらいいですか、と。すると電話の向こうで協会の人が『今日はそういう電話が多いんですよね』と笑っていました。『今、おいくつですか。…3年生? まずは卒業してください。できれば有名なソムリエのいるホテルに就職されることをおすすめします』と言われました」  

   

普通はホテルに入社して5年以上従事しないとソムリエの試験を受けられないのだそうですが、ソムリエ協会に入ると3年で受けられると聞き、迷わず入会。  

   

「そこで無料の講習会などには必ず参加しました。最初はテイスティングで、ワインを口に含んでは吐く、というのを知らず、全部飲んでしまってぐでんぐでんになりました(笑)」。

 

《2》

いざ就職活動が始まると、森さんは北海道から沖縄まで、日本全国の名だたるホテル100社に資料請求しました。
50社は面接を受け「ソムリエになりたい」と言っては落とされる日々。

「僕としては、フロントの仕事から始めて3年なんてとても無駄だと思っていました。『レストランで働くのは大卒の仕事じゃない』と言われ『そのようなお考えのホテルでは僕は働けません』と帰ったこともありました」

内定をくれたのは、できたばかりのパークハイアットホテル。

「『うちにはソムリエというポジションはありませんが』と言われたのですが、僕は『では、作っていただきます』と答えたのです。ニューヨークグリルに配属してもらい、24歳のときには、年間280件のオーダーメイドウェディングで、新郎新婦と打ち合わせしてワインを選んでいました」

森覚さん

 

しかしその後、ホテルニューオータニのトゥールダルジャン東京に転職したのは、すでにソムリエとして世界的に活躍していた田崎真也さんの「フランス料理がわからなければソムリエとは言えない」という一言からでした。  

   

「26歳で、トゥールダルジャンの一番下っ端から始めました。もう26なのにと思ったけど、入ってみたら本当に一番小僧でした(笑)。下から始めてよかったと今思えるのは、いろんな立場の人の気持ちがわかるようになったからです。鴨を扱うカナディエも、キャッシャーもやらせてもらって、ソムリエは全部知っていないといけないのだなとわかりました」  

   

現在は、世界各国のワインを扱い、フレンチ、和食、中華のレストランを統括するエグゼクティヴ・ソムリエとしてコンラッド東京で活躍する森さん。  

 

「3つのレストランそれぞれで、グラスワインを常時20種類以上用意しています。
 ソムリエチームも3つのレストランを行き来して、柔軟に対応している稀なホテルなんですよ。料理人とソムリエとホールの人が仲良し。是非一度、足を運んでいただければと思います」。  

 

森覚さん

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