華麗な舞台装置、クオリティの高いオーケストラ、そして美しい人たちが最高のパフォーマンスを見せるバレエ。その3つが三位一体となった人気のKバレエ カンパニーで、
今最も注目を集める新星、男性ソリストの栗山廉さん。
栗山さんが舞台に現れた途端「あ、王子様だ!」と客席の全員がわかるほどの気品あるルックスと実力で人気急上昇です。一昨年には日本初上陸のミュージカル「ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜」のオールダー・ビリー役を踊り一躍脚光を浴びました。
栗山廉さんが王子様を務めた『シンデレラ』を拝見しました。現れた途端、長身とそのしなやかで華やかな動きに客席からため息が漏れるほど。
たとえば、高くジャンプして着地したときにも、ほとんど音がしないのです。それを話すと、とても嬉しそうな笑顔になりました。
「ありがとうございます。ジャンプの着地は気をつかっているポイントのひとつです。バレエダンサーにとっての筋肉は、外側だけではダメで、内側の軸がしっかりしていないといけないのです。内側から持ち上げるような感覚を、普段の稽古から意識して、きれいに見えるようにしています」
トレーニングは欠かせないと栗山さんは言います。
「バレエの動きだけで鍛えられていく人もいるのですが、僕の体質ですとやはりそれだけでは無理なので、トレーニングで補っています。しなやかだけどタフな筋肉を目指して。男性のダンサーは優雅に見えて、かつパワフルな要素も必要だと思いますから」
栗山さんがバレエのレッスンを始めたのは、10歳のとき。
「姉が先にバレエ教室に行っていて、母が送り迎えをするのについていっていたのです。発表会には興味がもてませんでしたが、その教室に行くたびに、先生やお姉さんたちが『習ったほうがいい』とすすめてくれました。僕は体が硬くてバレエ向きではなかったのですが」
お父様は柔道を教えていたそうで、栗山さんも小1からバレエを習うまでは柔道を習っていたというからびっくり。今のスタイルからは想像もつきませんが。
「実際、今より細くてひょろひょろだったのです。柔道では強くなれそうもないと思っていて(笑)好きになれませんでした」
それに引き換え、バレエは彼の体型にぴったり合っていたのでした。