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    第50回:栗山廉さん(K-バレエ所属、バレエダンサー)

《2》

現在、栗山さんは185センチ。

「バレエにはどんどんのめり込んでいきました。背丈は中学3年間で、1年に10センチずつ伸び、毎日、踊る感覚が微妙に違うという体験をしました。筋肉はつきづらいタイプだったので、男性的なジャンプのテクニックを身につけるのは苦労しました。膝など、成長痛もありましたから。背が伸びた秘訣としては、よく寝たことです(笑)。小学校のときは9時とか10時に寝ていました。今も睡眠は大切にしています。」

指導してくれた先生が「小さいときに筋肉をつけすぎると背丈の成長が止まってしまう」ことに配慮してくれたのもありがたかったと言います。

その後、15歳でベルギーのアントワープ王立バレエ学院に留学。

「純粋にバレエに打ち込めたこと、そして英語やフランス語でのコミュニケーションをとれるようになったことは僕の人生の財産になった気がしています。そのときはよくわからなかったことも、今になって『ああ、こういうことを言っていたのかな』とわかったり。無意識に身についたこともたくさんあるのでしょう。住んでいた街の美しさも、感覚としてはっきり思い出せるのです」

ベルギーのアントワープで2年間を過ごしたのち、更に研鑽を積もうと、バレエダンサーを目指す若者たちの登竜門となるバレエコンクールでも有名な、スイス・ローザンヌのバレエ学校へ留学。

「ローザンヌはレマン湖の畔にある街。普段はバレエ漬けの日々でしたけれど、週末には気分転換にみんなでピクニックに行ったりしましたね。自然が多くて、そこでの木々の匂い、風の匂いを今でも思い出します。そこにずっといられるような、のどかで心地よい香りでした。もし今訪れることができたら、またまったく違う香りのように感じるのかもしれませんが」

そんなふうに吸い込んだアントワープやローザンヌの香りも、今の栗山さんを形作っているのでしょう。

「今はふと日本の街を歩いていても、あ、いい香りだなと思うことがあります。上品な甘い香りが好きです。ベビーパウダーのような清潔感のある香りもいいですね。僕は眠る前に必ずアロマのディフューザーをたくのですが、オレンジ系と桧の香りとを気分によって変えています」。

栗山廉さん

《3》

2014年、栗山さんは熊川哲也さんが芸術監督を務めるKバレエカンパニーに入団。今や若手ながら主演を踊る一人として『くるみ割り人形』、『白鳥の湖』、『シンデレラ』などの主要な作品で王子役を務め、たくさんのファンにきらきらとその存在感を印象付けています。
7月30,31日は渋谷Bunkamuraで開催されるコンサート『青島広志のバレエ音楽ってステキ!』で初の進行助手をすることに。

「今年は7回目の開催となるのですが、このコンサートにはダンサーとしてはずっと出演していました。普段はオーケストラピットから聴こえて来るオーケストラを背後に感じられるのがダンサーとして違った感覚でこのコンサートならではの醍醐味。今回は青島先生の面白いトークのお手伝いをできるということで、勉強させてもらおうと思っています。いろいろな演目の見ごたえのあるシーンと音楽を楽しんでいただけるので、ぜひご家族で友達どうしでいらしてもらえたら嬉しいです。
今回もお客様が指揮をするコーナーや、楽器を持ち寄ってもらって客席で演奏してみよう!という参加型のコーナーもありますよ」

栗山さんも、バレエは総合芸術だと胸を張ります。

「踊りはもちろん、セットも音楽もどれも妥協していないのが、Kバレエの良さだと思います。見にきてくださる皆さまに感動してもらえるように、魅力あるダンサー、劇場を超満員にできるダンサーになりたいと思います」

「王子」の素養と努力の賜物が、栗山廉さんそのもの。これからも、老若男女を魅了してくれることでしょう。

栗山廉さん

"青島広志のバレエ音楽ってステキ!" 夏休みスペシャルコンサート2019

見て!聴いて!楽しむ! 夏休みにバレエ音楽の魅力をお届け!

誰しも1度は耳にしたことがある、バレエ音楽の名曲の数々をお届け。今回初助手を務める栗山と青島先生が軽妙なトークで楽器やバレエなどの秘密に迫ります。また今年は中村祥子ら実力派ダンサーが集結し、テクニックを余すところなく堪能できます。バレエやクラシック音楽になじみのない方・コンサートが初めてという方でも楽しめ、指揮体験・演奏参加コーナーなど、盛りだくさんの本公演は必見間違いなし!

コンサート

◆日程◆ 2019年7月30日(火)11:30開演 / 15:30開演
31日(水)13:00開演
◆会場◆ Bunkamura オーチャードホール
◆監修◆ 熊川哲也
◆演出◆ 宮尾俊太郎
◆指揮とお話◆ 青島広志
◆助手◆ 栗山廉
◆演奏◆ シアター オーケストラ トーキョー
◆バレエ◆ Kバレエ カンパニー
◆料金◆ S席 6,800円 A席 4,500円 B席 3,000円(税込)
*4歳以上の入場可能です。ただしお席が必要です。
◆主催◆ K-BALLET/TBS/Bunkamura
◆特別協賛◆ 大和ハウス工業株式会社
◆協賛◆ Sugarlady
◆後援◆ 渋谷区教育委員会
◆お問い合わせ◆ チケットスペース03-3234-9999
Bunkmauraチケットセンター03-3477-9999
◆WEBサイト◆ https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/19_aoshima/
◆Facebook◆ @aoshima.ballet

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取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影 山口宏之


2019.7.16 written by 森綾
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