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今かぐわしき人々 第82回
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    第82回:横内謙介さん(劇作家、劇団扉座主宰)

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 人数合わせで頼まれて入った高校演劇部で賞をとるまでの脚本を書き、演劇の世界へ踏み込んでいった青年は、いつしか劇団を主宰し、歌舞伎の脚本を書くまでの大作家に。『ワンピース』の歌舞伎化は大きな話題になりました。横内謙介さんの劇作家人生は飄々としつつ一直線。コロナ禍の外出自粛中にはダイエットと断捨離を敢行したという、そぎ落とした姿でインタビュー登場です。

《1》コロナのなかで演劇を守り続けるということ

 4月。横内謙介さんが主宰する扉座は40年の歴史のなかで初めて公演中止を発表しました。演目は6月開催の予定だった『お伽の棺』。劇団を率いている横内さんの苦渋の決断は、いかばかりのものだったでしょう。

「どれだけ空間に配慮しようと、万が一観客に感染者が出たらということもあるし、それ以前に稽古場というのはもっと何時間もそこにいて、唾飛ばして汗かいてっていう密な空間だから、スタッフから感染者が出るかもしれないという危惧もありました。作品として致命的だったのは、韓国から女優を呼ぶはずだったのが、来られなくなったということでしたね。劇団そのものをここで終わらせないための、苦渋の決断でした」

 中止を決めた後、横内さんは劇団員の生活を守るための行動に切り替えます。

「文化庁から大きな助成金が出たのですが、これは損失補填には使えないのです。使い方に紐がついていて、何かやらなくてはいけないのです。役者もパソコンを買ったり、稽古場まで行く自転車を買ったり、コロナを避けるための対策に何か使わないといけないのですね。
申請書を書くのも大変なんですよ。ずぼらな演劇人は2〜3分でくじけちゃう。とりあえず、劇団としては10月の公演前、公演中に劇団員のPCR検査を数回受けるということで申請しました」

 難しい問題は山積み。たとえば、プロの役者やアーティストという認定を誰がするのかという問題もあります。

「『シンドラーのリスト』的なものと考えて。僕は多くの役者さんにも助成金をもらうようにと情報を広めましたねえ」

 書斎にこもる悶々とした日々。横内さんは自粛中に脚本を1本書く、ダイエットする、断捨離するという3つの目標を立てたそうです。

「ダイエットは8キロ減、ダンボール30箱分の本を売りました。生きている間にもうこんなに読めないと思ってね。で、脚本は書けなかった!」

 これまで様々なことを乗り越えて来られてきたと想像しますが、横内さんはおそらく周囲の人たちの生活を守ることで心がいっぱいだったのではないでしょうか。

横内謙介さん

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