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第6回:中原慎一郎さん・小仲正克社長
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    第6回:中原慎一郎さん・小仲正克社長

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ちゃんと一つの景色になっているもの。やらされている感じじゃなく、パフォーマンスで作られたものでもなく、ちゃんと「そこにあるものとしてある」というものが、いい。

 日本香堂ホールディングスの小仲正克社長が、ランドスケーププロダクツの代表であり、現在はコンランショップ・ジャパンの代表でもある中原慎一郎さんに話を伺うFrag-dialogueのpart3。
 心に残る景色と香りの話に端を発し「いい」という感覚をどう共有するか、そして今の時代にもしっかり生きる「もの」とはどんなものなのかまで、話は尽きません。

現地の気候、風土のなかで食べると美味しい、香りが良い、ということはありますね(小仲)

小仲  中原さんが旅をした時に印象に残っている世界のランドスケープ、景色ですね。その景色と香りとの関わりという視点で、どこか印象的な場所はありますか。

中原  この間、夏にメキシコに行ったとき、レジンの石みたいなので香る石があって。なんでしたっけ、あれ。

小仲  コパルですか。

中原  そう!コパルです。そのコパルをあちこちで焚いていて。どこのレストランに行っても。屋外のレストランが多いので、どこでも甘い香りがしていて、あれはすごく不思議な気持ちになりました。そのコパルの石の塊を、大事そうに、市場のおばあちゃんが売っていて。
 「コパル、ある?」っていうと裏から出してくるみたいな。それはちょっと新しい体験でした。

小仲  コパルは天然樹脂ですね。太古の木の樹液が固まったもので、甘い香りがします。

中原  独特の香りですね。メキシコの乾いた空気感のなかで嗅ぐと、日本にあるものとは全部違うんだと思える。あれがなんだか不思議で、面白いなと思って、自然の中では。
 今回の旅で1番印象に残りました。

小仲  コパルもメキシコの先住民が使っていたかと思うのですが、ホワイトセージも、ネイティブアメリカンが魔除けのために使っていたという由来がありました。それがヨーロッパなどへ渡ったときに、現地の今の人たちにとってはそれが新しく映るのも興味深いですね。

中原  ヨーロッパはハーブで浄化するというような流行がすごかったですね、この間行った時も、そうでした。

小仲  僕はヨーロッパへ行くと、乳香の香りが気になるんですが。ある国では古いものが異国の人にとっては新鮮に感じるということはありますね。

中原  そうですね。タイとかで、香りは、白檀とかも入ってんだと思うんですけど、必ずお寺でエッセンシャルオイルを売っているのが面白いと思いました。
 向こうってやっぱり湿度が高いから、汗をかくじゃないですか。だからそういうものを体につけて自分たちの身だしなみとしても使うんでしょうね。
 ハーブの食べ物が多いのもそうですね。
 タイは香りとは密接な場所なんでしょうね。

小仲  実はタイっていうのも1つ香りのセグメントとしては重要です。
 タイの化粧品ブランドはレモングラスとか、ジャスミンとか、イランイランとか、独特のブレンドがあります。 雰囲気を持った香りのブランドがあって。オリジナリティーのあるマーケットですよね。

中原  そうですよね、ウナギのひつまぶしみたいなのを、月桃の葉っぱで包んで蒸して食べるんですよ。それがすごい美味しいんですよね。甘い香りが加わって。

小仲  美味しそうですね。

中原  エキゾチックさも加わって、すごい食べ物です。
 ハワイとかだと、なんか、バナナの葉っぱで食材をぐるぐる巻いて、地中に埋めて焼いたりするじゃないですか。なんか、ああいうの面白いな。

小仲  東京で食べると、あの時は美味しかったのに何でだろうって思ったりしますよね。現地の気候、風土のなかで食べると美味しい、香りが良い、ということはありますね。

中原  現地の気候、気温や湿度といったことが、味や香りにはすごく影響するんでしょうね。

中原慎一郎さん・小仲正克社長

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