小仲正克社長対談
お香の原点を求めて。鳩居堂、松栄堂、日本香堂の三社が発起人となり、4月12日から1ヶ月間開催されている「香り博」。京都と銀座にある三社の店舗を巡っていただき、日本の香りを楽しむ新しい形の回遊型イベントです。この記者発表を終えた鳩居堂・熊谷直久代表取締役、松栄堂・畑元章専務取締役、日本香堂ホールディングス・小仲正克代表取締役社長の3人がこのイベントを共催する意味を改めて語り合いました。
イベントで展示されるお香にまつわるお宝についての詳らかなお話も、読んでから訪ねると味わい倍増です。
熊谷 きっかけは、2016年でしたね。他の業界はそれぞれ横のつながりで連帯をつくったりされてるじゃないですか。そのなかで、成功するかどうかはともかくとして「お香の業界は何もしていないよね」という話が出たんです。小仲さんがいろんな事例を挙げて紹介してくださって、熱弁されたんですよ。
小仲
それぞれ代替わりもしたし、世代も変わったし。縦割というか、自分の会社のことだけではなく、オープンなスタンスで香り業界を捉えて、お客様を軸として、何か面白いこと、価値のあることができないかと。横のつながりでお互いに切磋琢磨して、香りの商品の質が良くなったり、技術発展したり、そういうことができたらと語ったんです。
もう一つは昔はこの薫物業界も右肩上がりだったんですけども、今はそういう状況ではないので、もう少し海外も含めた広い視野で何か連動できたらというのもありました。
熊谷 ぜひ何かしましょう、と語り合ったんですが、その後、コロナ禍があったり、お会いする機会がなくなってしまいまして。ああ、あれはオトナの口約束みたいな感じだったのかと思っていましたが、2023年に銀閣寺の催しで再会したときに「あの話、憶えてる?」と。そこから本格的に実施に向けてスタートしました。
小仲 外国人の方々が利用されるワーキングスペースだったり、それぞれの会社を訪ねたりして、ミーティングを重ねましたね。
熊谷 猛暑から始まった。ノーネクタイから始まって、だんだんみんなピシッとしていきましたね(笑)。
畑 いろいろと問題を一つずつ解決していきました。難しいこともいろいろありましたね。
熊谷
我々お香業界、初めての体験ですからね。本当にもっと香りを普及させたい、生活に取り入れてもらいたいという意見は一致していましたから。
成功するかどうかも未知の世界。でも、まずは成功させたいし、他社さんの真似をしてると思われてもいけないし、やっぱりそれぞれの会社の特徴やしがらみもありまして。それぞれの会社で販売形態や取引先が違ったりもしますから。
小仲 そうですね。ただ「もっと香りを普及させたい。生活に取り入れてもらいたい」という一致した思いがあったので。