フレグラボ|日本香堂

人と香りをつなぐwebマガジン

Fraglab
  1. HOME
  2. スペシャルインタビュー「今、かぐわしき人々」
  3. 第5回:溝口肇さん(チェリスト・作曲家)
    1. 特集
  • スペシャルインタビュー「今、かぐわしき人々」
    第5回 溝口肇さん(チェリスト・作曲家)

《3》自分を守ってくれそうな香りを身につける

溝口肇さん③

 五感の能力のうち、多くの人が「視覚」と「聴覚」をフル回転させて生きていますが、溝口さんもそうだったと言います。

「実は40半ばすぎまで、香りに関する能力がないと思っていました。意識していなかったのでしょう。友人にとても香りに敏感な人がいて、あるとき金木犀の300メートル位前から『ああ、金木犀の香り』と言ったのです。私は10メートル前でようやく『ああ、金木犀だ!』とわかった始末。それから意識し始めて5年ぐらいして、やっとスィッチが入りました。
意識すれば感じることができるのですが、普段はシャットアウトしているようです。目と耳はよく動いているのですが、香りに関しては15%くらいしか使っていない感覚がありますね」。

 けれども今は、ルームフレグランス、お香、エッセンシャルオイル、バスオイルなど空間に応じ、香りを使い分けておられるそう。

「普段の生活では料理を作る時にはスィッチが自然と入るのですが、歩いたり運転したりするときはほぼほぼセンサーは動いていません。しかし自分の香りの感覚は強いかもしれない、と最近になってわかってきました」。

 好きな香りは、ラベンダー。

「ラベンダーは私にとっては緊張をほぐしてくれます。スパなどでマッサージに入る前にどの香りが好きかと聞かれますが、私が選ぶのがだいたいラベンダーの香りのようです。自分が好きだと思う香りが一番体に合うと言われるので。
寝るときもラベンダーのアロマオイルは枕元にあって、香らせてから寝ることが多いです」

 外出時には必ずオーデコロンも。

「普段、外へ出るときは、必ずジョー・マローンのコロンを使っています。いくつか持っているうちの5種類くらいが玄関に置いてあり、その日元気になれると思う香りを使い分けます。好きだと1ヶ月くらい同じものを使っていたりすることもありますが、その香りを身体が欲しているからだと感じています。
何もつけずに家を出てしまうと、忘れ物をしたような気持ちになります。
 私には香りが自分を守ってくれる、という感覚があります。それゆえ忘れてしまうと、どうも落ち着きません。
私がいつも指輪や時計を身につけるのも、同じ感覚からです。身につけるもの全ては自分を守ってくれそうなもの、元気になるもの、心の免疫力がつくと感じられるもの選んでいます。華美なもの、高価なものではありません。そのひとつのアイテムとしての香りは、非常に大切な要素です。
 邪気を祓うという言い方をする人もいるようですが、香りによって自分の精神力や免疫力が高まっている、と考えています」

 静かな語り口調のなかに、時折ユーモアをまじえながら。言葉のソロが耳に心地よく残りました。

溝口肇さん④

  1. 2/2

溝口肇 Christmas Concert2016
@キリスト品川教会グローリア・チャペル
今年14回目となる恒例の東京・キリスト品川教会グローリア・チャペルでのクリスマスコンサート。
ジャズナンバーなどをまじえながら、今年を静かに思い起こす豊かなひと時をお届けします。
クリスマス抽選会も大好評。

日時:12月23日17:00開演 (16:30開場)
会場:キリスト品川教会 グローリア・チャペル (東京都)
[共演]梶原順(g) / 古川初穂(p)

チケット発売中
全席指定 8000円 、中学生以下 1000円
公演などに関するお問い合わせ先: キャピタルヴィレッジ:03-3478-9999

溝口肇プロフィール

みぞぐち・はじめ
東京芸術大学音楽学部器楽科チェロ専攻卒業。
1986年『ハーフインチデザート』(Halfinch Dessert)でCBS SONYよりデビュー。以後、クラシック、ポップス、ロックなど幅広いジャンルで演奏・作曲活動を展開している。
作品には、映画音楽 やテレビ番組の音楽として用いられているものが多い。2017年に30周年を迎える番組「世界の車窓から」のテーマ曲、『空中散歩』『ソロモン流』テーマ曲を始め、ドラマ『ビューティフルライフ』『星の金貨』などの音楽も。テレビ番組に自身が出演する機会も多く、特に旅番組には数多く出演している。
http://mizoguchi.strikingly.com/


取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影 ヒダキトモコ https://hidaki.weebly.com/

撮影場所: ホテルニューオータニ東京 リストランテ ベッラ・ヴィスタ
デザートまで完璧な美味しいイタリアンを40階から見渡す東京を背景にいただける、 幸せなレストラン。特に黄色い卵の色が目にも鮮やかなカルボナーラが絶品。
おろしたてのチーズのいい香り、ぜひ味わってください。
ホテルニューオータニ東京ならではの美味しいスィーツも楽しみです。
https://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/bellavista/

2016.12.13 written by 森綾
  1. シェア
  2. LINEで送る

この記事の関連商品

  • ルームフレグランス
  • エッセンシャルオイル
  • アンミング バスエッセンス

オススメ記事

  • スペシャルインタビュー第2回
  • スペシャルインタビュー第3回
  • バックグラウンドインタビュー第4回

最新記事

  • スパイスとお香の香りが混じり合う、モロッコに根を下ろして。
  • 第7回:熊谷直久さん・畑元章さん・小仲正克社長
  • スペシャル・インタビュー 第198回:松尾貴史さん
  • スペシャル・インタビュー 第197回:小谷実由さん
  • 第6回:中原慎一郎さん・小仲正克社長
  • スペシャル・インタビュー 第196回:藤田朋子さん

スペシャルムービー

  • 花風PLATINA
    Blue Rose
    (ブルーローズ)

  • 日本香堂公式
    お香の楽しみ方

  • 日本香堂公式
    製品へのこだわり

フレグラボ公式Xを
フォローする