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    第104回:野村義男さん(ギタリスト)

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《2》確定申告の職業欄に堂々と『音楽家』と書きたかった

 ギター少年は偶然、ジャニー喜多川さんと出会ってスカウトされ、その後、テレビドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)に出演して大ブレイクすることとなります。
 しかしその後、ソロ歌手としてデビューすることはせず、1983年9月、THE GOOD-BYEとしてバンドデビューしました。

「その3ヶ月前にソロの野村義男名義で1枚出してるんですけどね。バンドでやりたい気持ちがあって。それで誰に曲を作ってもらいたいかと訊かれたので、Charに書いてもらいたいって言ったら、書いてくださってね。そこからずっとお付き合いがあります。でもさ、一切教えてくれないですよ。親方なんです。一緒に弾いてて見てりゃわかるだろ、って感じ。僕にとっては天上の人だから。演奏では太刀打ちできないから、何かCharに太刀打ちできることがないか、って思ったら、Charさんは、そんなにギターには詳しくないとわかったんです。それで、ギターのことならなんでもわかる、というくらいになろうと思って」

 そこからはギターのコレクターとしても極めていった野村さん。自身の所有しているギターとエフェクターの本をそれぞれ出版してしまったほどです。
 しかしギタリストとしても、多くのプロのシンガー、ミュージシャンたちに指名されるようになっていきました。

「練習はすごくしましたよ。若い時は上手、ってこともなかったと思いますし。究極のマイペースなのかもしれません。26歳でジャニーズ事務所を退社した時、それまでコンスタントにきていた仕事が月1本くらいになって。いや、ドラマ、司会、バラエティー、舞台… 色々とお話はいただいたのですが、ギターを弾きたいんです、と、丁重にお断りして。できた時間に改めてギターを練習しました。その時点で15年ぐらい弾いてたけど、改めて初心者向けの本を買って。仕事が減った時に『やばい、なんか稼がなくちゃ』とは全く思わなかった。ただただ、ギターを弾こうと。確定申告の職業欄に『音楽家』と堂々と書きたかったんです。それだけに絞らないと『音楽家』とは言えないと思ったんです」。

野村義男さん

《3》Tenpackはエレクトリック人力バンドでありたい

 いろんな曲を作り、いろんな曲を聴いて。ギタリストとしてバンドを始めた頃の野村義男さんにはこの人と絶対に演奏したいと思ったボーカリストが3人いました。

「それが宮原学、ダイヤモンドユカイ、田村直美。この3人のボーカリストと一緒に音を出さないと、僕の音楽人生は失敗だと思っちゃった。良いボーカリストはたくさんいるけど、同世代としてこんなにパフォーマンスできる人がいるんだと。よし、僕はこの3人と音をだせるようになろう。でも、近づこうともしてないし、アピールもしなかった。一緒にやりましょうとは言わず、ただ自分の目指す音を弾き続けていけば、どこかで結びつくと思っていました。」

 野村さんが音だけに込めた無言の願いは通じ、この3人とは共演を果たすことに。そしてここ10年、Shota with Tenpack riverside rock’n roll bandでは、Shotaこと田村直美さんと共演し続けています。

「すっごい楽しいです。なんでもできちゃうから。田村さんのボーカルも僕が録っているのですが『勢いつくようなフェイク入れて』とかリクエストすると、ガツンというのが返ってくる。改めてすごいボーカリストだなと。僕らは、せーの!でしか録らないから、ちょっとしたズレや間違いもそのまま残してあることがあります。聴いている人にはわからない程度かもしれませんが。ただ20年経ってアンソロジーを作ろうというときには、直すかも(笑)」

 メンバーが共通して大事にしていることは、ロックンロールの勢いと、バンドの醍醐味。

「バンド名にロックンロールと入っているからそれを忘れず、エレクトリック人力バンドでありたいんです。今時は、編集でいくらでもキレイなものは作れるけど、それじゃ音として面白くない。選曲も、次のアルバムはかなり遊んでいます。こんな曲やったことないでしょ、っていう、メンバーいじめもやってる(笑)」

 土橋安騎夫さんもそうでしたが、野村さんもTenpackの話になると、身を乗り出してキラキラと語り出します。心の奥のバンド魂がそうさせるのでしょうか。オトナのバンドであると同時に、ティーンエイジのような純粋な音楽への気持ちが続いているような。だから彼らの音楽は聴く人にとっても元気をくれるのでしょう。

野村義男さん

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