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    第143回:エダジュンさん(料理研究家、管理栄養士)

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《2》飲食店は9割大変。でも1割だけ、泣くほどの感動がある

 エダジュンさんが料理に興味を持ったのは、子どもの頃のこと。

「母方の伯母が、岩手で喫茶店を営んでいたのです。オムライスとか、サンドイッチとかもあるような。昼間は近所の人たちがそこでコーヒーを飲んで、穏やかに和んでいるような店でした。そこへ行くと美味しいものが食べられて、達郎やユーミンやサザンがかかっていて、とてもいい時間が流れていて。その感じにとても憧れたんです。こういう空間で料理を作ってみたいなと」

 美味しいものは人の気持ちをあたたかくする。エダさんは、大学で管理栄養士の資格を取りました。

「大学で食を学ぼうと思うと、管理栄養士しかないんです。その頃はまだ、飲食店をやりたいという夢を持っていました。それで、スープストック東京をやっている会社へ就職したのです。でもそこで分かったのは、ただ美味しいものを作ればいいだけではなくて、運営の大変さもあるということでした。9割は大変。1割だけ、泣くほどの感動があるのです」

 店長も経験し、目標にしていた本社業務にも携わったエダさん。でも、本社では人間関係に疲れてしまい、退職されたそう。

「そこで、海外へ行こうと。アジアごはんに興味があったので、ベトナムに1ヶ月バックパッカーをしました。上はハノイから、下はホーチミンまで。バスで横断しようと。食べる、考える、景色を見る。それだけの毎日。正直、やることはそれだけですから、これから先のことばかり考えるようになりました。そういえば、店を持つことと、もう一つ、中学生の頃に小林ケンタロウさんのレシピ本を持っていて、こんな人になりたいなあと思ったことを思い出したんです。でも、そういうのって『タレントになりたい』と言うみたいで恥ずかしいじゃないですか。おこがましいというか」

 その時28歳。エダさんは考えました。

「30歳になるまで2年間は、夢を追いかけてみよう!」

 簡単ごはんのブログから、パクチーボーイとしてのInstagramへの挑戦の2年間はそうして始まったのでした。

エダジュンさん

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