そんな川上さんを救ってくれたのは、小学5年生の時の先生でした。
「音楽の先生で、厳しいけれど良い先生でした。英語劇でミュージカル『メリー・ポピンズ』をやることになり、私を主役に抜擢してくれたんです。それで自信がつきました。演じることの面白さもそこで知ることになったんです」
その先生のおかげもあり、日本の生活にも戻り、中学生頃には今度はスウェーデン語を忘れてしまったと言います。
そして俳優を志すようになった彼女は14歳でデビュー。『3年B組金八先生』の第2クールで、クラスの優等生でマドンナ的存在の迫田八重子を演じました。
「人気も含めていつも非常事態のようでしたね。当時のTBS入り口ギリギリまで人が入れたので、ものすごい人が集まっていました。私たちは動物園のサル状態。今なら規制がありますが、あの頃は夜中の1時入りの撮影が当たり前にあったりしましたし。眠かったですね」
リアルに出会った先生と、劇中の金八先生と。川上さんは良い先生に巡り会う運があったのかもしれません。
2011年には、東北大震災の放映自粛後、ドラマが復活する日に『3年B組金八先生ファイナル』のスペシャル番組が7時間で放送されました。
「金八先生はずっと先生のようで、みんなを役名で呼ぶし、同級生も今も同窓生のようだし、すごく不思議な感じです。なんだかもう一つ学校に行っていたような気がしました」。