図書館の匂い以外に、気分転換に彼女が愛用する香りは、バスソルトやハンドクリームの控えめな香り。
「バスソルトは2~3種類置いていて、夏場はミント系を、冬場はラベンダーをよく使います。ハンドクリームはライムやシトラスの柑橘系の香り。清潔感があって気持ちもすっきりします。香りってずっと同じだとわからなくなってしまいませんか。少し変化をもたせて『ああ、今はバスタイムなんだ』とリラックスを感じられるようにしています」
表舞台の仕事は初対面の人も多く、緊張が続きますが、そんなときも助けてくれるのは、リラックスできる香り。
「ヘアメイクさんが、スチームに気に入った香りのチップをつけてくれていたり、アロマポットでエッセンシャルオイルをたいてくれていたりすると、所在ない気持ちがいっぺんにほぐれます。ああ、私の居場所だな、って」
香りで自分の居場所を確かめる。緊張の多いすべての人に、その習慣はとても役に立ちそう。
中江さんが自らのテンションを自然に品よくキープされる理由が、少し、わかったような気がしました。
中江有里(なかえ・ゆり) プロフィール
1973年大阪府生まれ。法政大学卒。89年に芸能界デビューし、テレビドラマ、映画に多数出演。2002年『納豆ウドン』で第23回NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。NHK BS2 『週刊ブックレビュー』で長年司会を務めた。
現在はフジテレビ『とくダネ!』にコメンテーターとして出演中。著書に『結婚写真』(小学館文庫)、『ティンホイッスル』(角川書店)などがある。
『わたしの本棚』(PHP研究所刊)
取材・文 森 綾
https://moriaya.jimdo.com/
大阪府生まれ。神戸女学院大学卒業。
スポニチ大阪文化部記者、FM802編成部を経てライターに。
92年以来、音楽誌、女性誌、新聞、ウエブなど幅広く著述、著名人のべ2000人以上のインタビュー歴をもつ。
最新著書は、「大阪のおばちゃんの人生が変わるすごい格言一〇〇」
撮影 ヒダキトモコ
https://hidaki.weebly.com/