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    第185回:広田圭美さん(ピアニスト)

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《2》体調を壊したのをきっかけに、アロマ検定1級を

 自由に弾きながらもバランスが取れる。どんな状況のアドリブでも美しいメロディが聴こえてくる。それは、彼女が類まれな作曲の才能を持っていることに裏付けされています。

「子どもの頃からYAMAHAのJOCで学んでいました。すごく恵まれた環境だったと思います。特に10代の頃は時代もバブルだったので、初めて行った海外は、まだ壁がある時代の西ドイツだった。モンゴルのオーケストラとも共演しました。ソ連が崩壊したばかりで、飛行機が飛ばず、パラシュート部隊の飛行機でモンゴルへ行ったんです。指揮者のマイケル・ティルソントーマスとも共演しています。ピアノは伊奈和子先生に厳しく指導されましたね。生音でどれだけ美しく聴かせられるかだと。厳しかったけれど、その指導がすごくありがたかったなと思います」

 大学は名門・東京藝術大学音楽学部作曲科へ。その在学中からも、アーティストの譜面を作ったり、プロとしての活動は始まっていました。

「ゴスペラーズやSkoop on somebodyの弾き語り譜面(ヤマハミュージックメディアから発売)を作ったり。CM楽曲制作、劇伴の作曲と演奏など、在学中から忙しくやっていました。その後、2008年にタマトミカというデュオで、メジャーデビューしました」

 ところが、メジャーデビューで結果を出せねばと気負い、体調を崩すことになってしまいました。

「今から15年くらい前ですね。結果を出さなくてはと焦っていた頃ですね。最初は突発性難聴、そこからメニエール病のなかのレモルワイエ症候群になって。めまいが止まると今度は耳が悪くなるという感じで、やがてパニック症候群になっちゃったんです。カフェに居るのがNG、電車に乗るのがNG、と、できないことが増えていきました。それでもう、一度、全ての仕事を放棄して、大阪・豊中の実家へ帰ることにしたんです」

 なんとか自分を立て直したいと思ったとき、手にしたのがアロマでした。

「アロマはなんで良いのかというと、頭でぐるぐる考える前に、鼻から嗅覚の場所へダイレクトに香りがいくでしょう。ふっと吸った瞬間に、リラクゼーションできる。それで、アロマの歴史や種類など勉強して、アロマ検定の1級をとってしまいました!」

 ステージでの演奏。楽曲の制作。譜面書き。すべてが集中力と高いテンションを必要とされることです。広田さんにとって大事なものは、心身ともにほぐれるようなリラクゼーションだったのでしょう。
 今も、バッグの中にはアロマ・グッズが。

「MUJIの出している『くつろぎブレンド ハーバル』というブレンドがすごくいいです。シダーウッドが入っているのかな。風邪をひいた時は、ペパーミントやユーカリをタオルにつけて巻いて寝ると、翌朝、スッキリしていたりします。気持ちが入れ替わるのかな。イランイランやゼラニウム、グレープフルーツなどやる気を出す系は日によって使うことがあります」

 「広田さんが歩くといい匂いがする」と言われるほど、楽譜のファイルにも入れて持ち歩いていたそうです。

広田圭美さん

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