5年前、歌手生活40周年の節目にフレグラボに登場してくれた、滝ともはるさん。横浜に根を下ろし、ライブハウス経営もしていましたが、経営は一旦他人に任せ、今回は歌手活動に本腰を入れます。
「HUKUROHもいい塩梅でやっていました。住出さん、きんちゃん(矢沢さん)、僕の3人でやってみて、仕事意識がなく、青春時代に好きだった音楽を奏でるという目的だったから。音楽をやりたくてまっしぐらだった時代の雰囲気が蘇ってくるし、音楽以外のトークでも、本番以外のリハーサルでも、そういう雰囲気があって。どうかすると、はらわたがよじれるほど笑ったり。そういう空気が客席にも漂っていていたと思います。これまでの人生を生かした大人の歌をうたえるというか。酸いも甘いも共感できる音楽をつくってこれたかと」
HUKUROHから、SORISEへ。
「SORISE! もう一度、本腰を入れて上に昇ろうよと。自分の音楽活動にスィッチを入れようと。とりあえず店は預けて、ね。でも営業はしているので、ぜひ横浜のパラダイスカフェにも行ってみてください。角切りポテトにローズマリーを入れたら、お客さんが『世界で一番美味しいポテト』と言ってくれたんですよ。気付いたら、近所にローズマリーが群生していて。その香りを嗅ぐと、僕は人の気持ちがそんなに香りであがるものなんだと思い出します。そんな歌をうたわないとね。まずは歌詞なんです!」
楽曲制作を3人で顔を突き合わせて行うようになったのも、SORISEになってからのこと。
「オリジナルを増やさないとと。昨日、一昨日とパラダイスカフェで、ああじゃない、こうじゃない、と、3人でやりました。一緒に曲をつくるって本当に難しいことなんですが、きんちゃんと住出さんのやりとりをみていると、楽しくて。方向性はまとまりつつあるかな。僕も錆びついた言葉への想いを磨いているところです。6月の渋谷でのライブをスタートポイントにして、もう気持ちは全国ツアーです! のんびりしちゃいられない。少し急いでいます」
3人のなかでは一番おっとりした印象の滝さんも、もはや導火線に火がついています。