
現在、ドイツのバイエルン国立バレエ団でプリンシパルダンサーとして活躍しつつ、日本でも大人気のジュリアン・マッケイ。先日は有楽町・I’M A SHOWでファン・ミーティングまで開催され、来年2月7、8日には、Bunkamura・オーチャードホールで単独公演も決定している。
ルックスはグローバルに人心を魅了する貴公子風情。ジュリアンは、ファン・ミーティングのリハーサル前という忙しい時間にも、笑顔でインタビューに応じてくれた。

まだ暑さの残る9月9日。有楽町・II’M A SHOWの舞台前で、ジュリアン・マッケイは友人のように明るく出迎えてくれた。
肉体と精神を研ぎ澄ませて踊るバレエ・ダンサーは繊細な人が多い。時にはそれがアンニュイにも映る人もいるが、初対面のジュリアン・マッケイにはそういう影のようなものが見えない。
初めてのファン・ミーティングの前日で、リハーサルの前に、いくつかの媒体のインタビューの時間が組まれていた。
「日本の夏を楽しませてもらっています。明日は初めてのファン・ミーティングなので、ものすごくワクワクしているんです。皆さんにお伝えできる情報もたくさんありますよ」
初めて日本との接点ができたのは2019年11月、上野・東京文化会館で開催された『ミハイロフスキー劇場バレエ「パリの炎」』。ジュリアンは大きなフランス国旗を颯爽と振り、掲げた。
「『パリの炎』は日本に来ることができた作品なのでとても心に残っています。それから昨年今年と2年続けて『OTOBUTAI』にも出してもらいました。奈良、京都という日本の二つの古都で踊ることができたのは、素晴らしく特別な体験でした」
『OTOBUTAI』は由緒ある神社仏閣を舞台に、そこにふさわしいアーティストがオムニバスで出演する荘厳かつ華やかなイベント。2024年は奈良・法隆寺で、2025年は京都・醍醐寺で開催された。
奈良、京都でのそれぞれの体験は、ジュリアンの芸術魂に触れたようだ。
「どちらもドラマティックで幻想的だった。特に奈良はmagicalでしたね。踊りは自分のフィーリングが左右するので、別世界を味わうのは新しい体験。野生の鹿と人間が共存している不思議さがありました。僕はいろんな動物を見てきたけど、奈良の鹿はお辞儀する!大昔から続く姿のままのお坊さまが変わらず生活している姿にも驚きました。伝統に触れることができ、どんどん日本を愛するようになりました」
11月23日深夜0時30分~、TBS系で京都・醍醐寺での『OTOBUTAI 2025』がテレビ放映される。寺というシチュエーションにジュリアンのダンスがどう息づくのか、確かめたい。
