
テレビ局のアナウンサーというハードな10年間を過ごしたあと、フリーランスのアナウンサーとして活躍されている宇賀なつみさん。透明感のある安定した受け答えは、多くの人に安心感を与えています。
そんな宇賀さんは、バスタイムが大好きだそう。自宅でのバスタイムから旅でのサウナの思い出まで、極上のバスタイムのつくり方を教えていただきました。
大学卒業後、テレビ朝日に就職。最初の5年間は夜の「報道ステーション」を帯で担当。その後の5年間は早朝番組の帯を担当することになったという宇賀なつみさん。生活が逆転するような違いがあったようです。
「極端に夜遅いか、極端に朝が早い月〜金曜の社会人生活でした。だから平日の19時に誰かと待ち合わせをしてご飯を食べに行くということを1回もしたことがなかったんです。早朝番組は4時55分からのスタート。ということは、打ち合わせや準備などで深夜2時に局に入ります。局アナが3人で担当していたんですが、私が一番年下だったので。2時入りは1年半やりました。逆に『報道ステーション』のときは、番組が23時10分に終わるので、着替えと反省会をして24時ぐらいに外へ出られるんです」
でも、宇賀さんはそんな生活も「自分を鍛える時間だった」と思っています。
「体力的にも精神的にも鍛えられました。入社した頃はスマホもなくて、まだテレビにすごく力があった時代でしたし、やり甲斐もありました。働き方改革の波が押し寄せる前だったので、今の考え方では無茶な働き方だったかもしれませんが、若いときにしかできなかったとも思います。『これぞテレビ局!』という働き方だったし、その分、たくさん現場に行かせてもらって、場数を踏めたので、今があると思うんです。一生懸命でした」
10年という節目で、働き方、生き方を変えようと、フリーになった宇賀さん。激務のおかげで身についた「自分をリセットする方法」もあったのです。

自分をリセットする最大の方法。それはバスタイムでした。
「昼間、明るい時間に帰ってきても寝ないといけないとか、逆に深夜2時3時に帰って寝なきゃいけない。そうすると、ちゃんとお風呂にお湯をためて入るというのが『ここからはオフだよ』という自分への確認作業になったんです」
もともと、お風呂が大好きだったそう。
「昔から、温泉や銭湯は大好きで、時間が許せば朝晩入りたいくらいなんです。水の中が好きなのかな。プールとか、海とか。水やお湯に浸かると、体の力が抜けてリラックスできる。サウナも好きで、銭湯とかにサウナがあると、出たり入ったりして3時間ぐらいいいます(笑)。それが最大の贅沢です」
お風呂好きは自他共に認めるところとなり、入浴剤やボディソープ、石けんなど、いろんなものを取り揃えているそう。
「その日の気分に合わせて使っています。乳白色になるミルクバスみたいなのが、体も見えなくなるし、すごく好きです。華やかな香りだとさらに気持ちがふわっとほどけて楽になります。自宅でも温泉みたいな気分になれるんです。他には、泥が原料でグレーににごる入浴剤も気に入っています。体をマッサージしながら入ったりできるんです」
疲労度が高い日には、機能性の高いバスソルトの出番も。
「今日は疲れたな、という日には、機能性のあるバスソルトを使います。マグネシウム系、炭酸ガス系、生薬系などですね」
お風呂でキャンドルを灯すのも、リラックス効果が高い方法。宇賀さんは最新のキャンドルも見つけていました。
「キャンドルの成分はお風呂場で使っても大丈夫なのかなと思っていたのですが、有害物質の入っていない大豆成分のソイキャンドルだと、嫌なにおいも出ないので、重宝しています。聞いた話なので定かではないのですが、キャンドルで感じるマイナスイオンは滝で感じる4倍だと。そのくらいリラックス効果があるんです。5分でも充分で、電気を消してキャンドルを灯すだけで疲れが取れるので、余裕があるときはそうしています」。

バスタイムのリラックスに欠かせないのは、視覚的な要素と同じくらい、嗅覚=香りの要素です。
「シャンプー、トリートメント、ボディシャンプーは、まず置いていて見た目が嫌じゃないことがありますが、なおかつやっぱり香りがいいものを選んでいます。今は嫌な香りのものはほとんど売られていないですが、自分が使っていて心地よい、気分が良くなるという音が一番大事だと思うんです」
宇賀さんの好きな香りは、ナチュラルなもの。
「自然なハーブ系、強すぎない薬草っぽいもの。草花のような強くない香りが好きですね」
これから寒くなる季節にも、宇賀さんおすすめの入浴方法は「出たり入ったり」。
「最初は軽く流し、ぬるめのお湯で10~15分湯船に浸かって、5分シャンプーしてまた入って、トリートメントしてまた入って、最後に全身洗って出る。じーっと30分だと疲れますが、これならお風呂場に長くいられます。お風呂場がゆるいサウナのような感じになって、疲れも取れて、温まります。あがった後に、長時間ぽかぽかしている気がします」
なるほど、そのためにはお風呂場はいい香りに包まれていてほしいものです。

今、宇賀さんはテレビで『池上彰のニュースそうだったのか!』(テレビ朝日系)、『土曜はナニする!?』(フジテレビ系)、ラジオでは『SUNDAY’S POST』(TOKYO-FM、JFN系)にレギュラー出演しています。
ラジオの番組は、幸運な出会いから始まりました。
「テレビ朝日を退社します、と発表した日の夜に行ったお店でたまたま小山薫堂さんにお会いして、ご挨拶させてもらったんです。『4月からフリーになります』と言ったら『何が一番やりたいの』と言われ『ラジオです』と言ったら『え、僕たち4月からラジオ番組をやるけど一緒にやりますか』と言ってくださって」
なんと小山さんは、その夜、その番組のスポンサーの方と打ち合わせをされていたのだそう。宇賀さんの純粋な想いが引き寄せたご縁だったのでしょう。
では今、やりたいことはどんなことでしょう。
「旅が好きで、いちばんの趣味であり、ライフワークなんです。それで、朝日新聞デジタルの『&トラベル』で連載をさせてもらっています。5年経つとようやく私の旅好きが認識されてきて、今年はオーストラリア、LAへ、去年はスペインへ行かせてもらいました。好きなことを発信してそれが仕事にもなるというのは本当に嬉しいし、ありがたいです」
旅の途中でも、気になるのはお風呂。
「ホテルにバスタブがあれば必ずお湯はためます。最近は、サウナやスパが充実しているホテルも多いので、冬でも水着を持っていって、入れるところを何かしら探しています(笑)」
今年はアイスランドで温泉に入ったことが忘れられない思い出に。
「ブルーラグーンという有名な温泉施設も整備されていて素晴らしく綺麗でしたが、山沿いをドライブしていると、急に掘ったて小屋のようなものがあって、そこに温泉が沸いているんです。アイスランドは日本以上に治安がいいので、そのまま車に荷物を置いていって掘立て小屋へ飛び込み、温泉に入ったりしました!」
本当にバスタイムがお好きで、そして自由に楽しむ様子が伝わってくる宇賀さん。その彼女なりの流儀で、世界の温泉やお風呂を制覇する日も遠くないかもしれません。
寒くなる季節、バスタイムを見直すことは、リラックスを方法を見直すこと。宇賀さんに習って、自分なりのリラックスタイムをつくりたいものです。
宇賀なつみさん
公式サイト
https://aestas.tokyo/