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ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン
    1. コラム
  • ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。
    手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン

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 横浜・元町には代官坂と呼ばれる美しい坂道があります。花屋さん、カフェ、フレンチレストラン、眼鏡屋さん。洒落た店構えがぽつりぽつりと並ぶひとつに、とりわけ可愛らしい青い壁の店『MiRie motomachi』があります。ベルギーに長らく暮らしたことのあるオーナーの熊田和美さんが手がけるクロッシェ編みとビーズのオリジナルアクセサリー『Fiore di Pesca』を始め、洒落たセレクト・グッズがセンスのいい女性たちの心に響いています。

ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン

クロッシェ編みと繊細なビーズが織りなすレースのようなネックレス

 ヨーロッパのような石畳。丘へ向かって続く鉄の手すりのある急な階段。しゃなりしゃなりとご主人と歩く大きなイヌ。…横浜・元町は四季を通じ、街自体に特別な空気が漂っています。なかでもクリスマスの近いこの季節は心浮き立つディスプレイが目立ちます。
 熊田和美さんは、2年前、代官坂の真ん中あたりに『MiRie motomachi』をオープンさせました。

「この物件に出会ったときに、すべての雰囲気に即決しました。私が手がけるアクセサリーは、アンティーク感と現代の感覚をミックスしたタイムレスなデザインを心がけているのですが、それにぴったりだと思ったのです。奥の壁の色をベルギー時代に習いに通った店の壁と同じ赤色にペンキで塗りました」

 熊田さんの手がけるアクセサリーは、ヨーロッパの中世発祥のクロッシェと呼ばれるかぎ針編みが主体になっています。繊細でビーズの色合いがなんとも粋。ネックレスやイヤリングが中心ですが、とても軽やかで小柄な日本人にも合うのが特長です。

「このクロッシェ編みは、はベルギー人の先生から技法を学びました。フラミッシュ語でのレッスンの説明に戸惑いながらも、学びたい一心でとにかく喰らい付いて学んだことが今に繋がっております。そこに自分の色合わせや独自の技法を考え、今の形になりました。『Fiore di Pesca』というブランド名で意匠登録しています。ビーズを最初に糸に通し、それを編んでいくのです。ベルギーで見たものは、もう少しボリュームがありましたが、日本人に合うように、軽さ、丈夫さも大切にしています。重いネックレスは敬遠する人も多いし、金属アレルギーのお客様にもつけていただけるので喜ばれています。留め具にマグネットを採用することで、着脱もしやすいんです」

 機能と繊細な美しさ。首につけても、つけていることを忘れてしまうくらい、肌なじみが良いのです。

ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン

ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン

「レースをまとってもらうようにつけてもらいたい。そのために、フランスで使われている光沢のある細い糸や、ドイツのシルク糸、リネン糸など、高品質な素材を使っています」

 実際に糸を見せてもらいました。なんだか糸巻き自体も洒落た形。粒の細かいビーズとポイントに使われた天然石を引き立てるために、パーツ選びから深い思い入れが始まっているのです。

ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン

センスで響き合えるクリエイターたちも集まって

 熊田さんがアクセサリーづくりを思い立ったのは、2000年ごろのベルギーでのこと。

「ベルギーには、夫の仕事の関係で7年いました。その前はオランダにいて、トータルで8年ヨーロッパにいたことになります。出産、子育ても向こうでしました。だから帰国したときはかなりカルチャーショックで、大変でした。二人の子どもを育てながらですから、家族に反対された時期もありました。一旦、ギアを下げたことはありましたが、アクセサリーづくりは続けました。本門寺というお寺でパートをさせてもらいながら、お店をもつ夢を捨てませんでした」

 街を歩けば、いろんなセレクトショップが気になりました。まず5年前に戸塚駅で小さな店を開いて手応えを感じた彼女は、元町への出店を決めました。

「都内で生まれ育ちましたが、小さい頃から、母が元町が好きで、しょっちゅう一緒に来たんです。
異国情緒があって、憧れの街でした。その後、大学が横浜だったので、デートをしたりした思い出もあります。本当にこの街とご縁があってよかったと思います」

 店では不定期で、気軽にトライできるさまざまなワークショップも開催しています。店自体が、マダムたちの集まるサロンのような風情です。

「金継ぎ、デコパージュ、クリスマスリース。いろんなことを開催しています。お茶を飲みにくるような感覚で、おしゃべりしながら、楽しいじゃないですか」

『MiRie motomachi』には、熊田さんのセンスに響き合えるクリエイターたちも集まってきます。
 帽子作家、テーラーメイドの洋服や、カシミヤ・ストールのブランド。そして、自らがデザインしたアクセサリーだけではなく、別の作家さんのものも、これと目が止まれば選んで置いています。

「セレクトショップはいっぱいあるけれど、プラスアルファ何かできたらなと思っているんです。例えば、ここで、モノだったり、人だったり、空気感だったり、いろんな素敵と出会ってもらえたら」

 寒い日も、この店のウィンドウを覗き込むと、ほっこりと心が和み、入っていきたくなります。ヨーロッパの街角を旅する気分で、訪れたい店なのです。

ベルギーの香りを編み込んで紡ぐ。手作りのアクセサリーと、マダムたちの憩いのサロン


公式サイト
https://mirie.shop/brand/


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