
2024年にデビュー35周年を迎え、ますます魅力的に歌い続ける小野リサさん。2025年に開催された大阪・関西万博ではブラジルパビリオン・アンバサダーとしてブラジルデイやブラジル館の閉幕パーティーなどでも歌った。そんな彼女が『小野リサ My songs〜私の好きな歌~』を3月8日にNHK大阪ホールで、『小野リサPremium Live~私の好きな歌~』を4月9日に東京国際フォーラム ホールCで開催する。昨今はボサノヴァだけではなく、日本のポップスや映画音楽、ロックまで幅広く歌う彼女に、歌へのさらなる愛を語ってもらった。

日本でボサノヴァというブラジル音楽を広げたシンガーと言えば、小野リサさんが第一人者だろう。2013年にはブラジル政府よりリオ・ブランコ国際勲章を授与されているほどだ。
ボサノヴァ好きなら神様のように思うアントニオ・カルロス・ジョビンとも共演している。
そんな小野さんは10歳までの子ども時代を、ブラジルで過ごした。人前でギターを弾き語りしながら歌い始めたのはなんと15歳のときだ。
まるで語りかけるような、自然に聴くものの心まで届く歌。
「家では、うちの父がすごく言語に興味があった人で、いろんなものまねも得意でした。いろんな音楽も家では流れていました。父が日本のミュージシャンをブラジルで紹介するような仕事もしていたので、有名なミュージシャンも出入りしていました。私は10歳で帰国した時に、ピアノを始め、中学くらいになってギターを弾くようになりました。ギターといえば、ブラジル音楽の大半はギターでつくられているので、すぐブラジル音楽を始めました。ブラジルで育った頃がとっても懐かしかったんです。向こうの友達に自分の歌を録音したカセットテープを送ったり、交流を続けていました」
文通ならぬ、かわいい「音通」。彼女が住んでいたのは都会だったけれど、イビラプエラ公園という大きな公園の前だったという。
「ブラジルはカーニバルがあるので、2月になると仮装をして踊りに行った思い出があります。6月になると収穫祭のお祭りがあって、そのときはフォークダンスを踊ったりしました」
日系の幼稚園では、日本の童謡もうたった。
「幼稚園で習ってきた歌を一日中うたっていました。『七つの子』とか、朝から晩まで歌っているくらい、歌が大好きで。『ちょっと静かにしましょう』と叱られて、それでも歌い続けていました。父は私をデビューさせたいと思っていたようです」
帰国して、15歳からギターを手に父の経営するライブハウスで歌い始めた小野さん。
「父はサンバが好きなので、始めはサンバを歌っていたんです。サンバは打楽器の音量がすごく大きいので、大きな声で歌わないと聞こえないんですよね。あるラウンジでボサノヴァを『小さく歌って』と言われたときに、自分の音楽が見つかった!と思いました」。
