松浦さんは、長い親交のあるロンドン在住のDJ、ジャイルス・ピーターソンの主宰するインターネットラジオ「Worldwide FM」でも番組をもっています。 「日本時間では月曜の夜、今は浅草にあるWIRED HOTEL ASAKUSAのカフェラウンジからオンエアしています。動画配信もしているFacebook上で聴いてくれている人もいるし、本体のネットから聴いてくれている人もいますが、Facebookだとすぐにコメントを残せるのが面白いですね。イギリスを中心に、日本、ヨーロッパ、ブラジル、アルゼンチンなど世界中にたくさんのリスナーがいます。」
既存のラジオ局にはない音楽のセンスの一貫性は、ジャイルス・ピーターソンのおかげだと松浦さんは考えています。
「Worldwide FMは、ラジオ局独自のカラー、統合性、クオリティが保たれています。それはリスナーを選ぶことになるかもしれませんが、しっかりした固定客をつくることにもなっているのです」
実際に、ジャイルス・ピーターソンが主宰する南仏のフェスは、毎夏、大にぎわいだそう。
「1週間、昼間から夕方までビーチでフリーパーティーがあり、21時頃から夜中にかけては地中海に面したとても美しい円形劇場で数アーティストがライヴ、その後、DJパーティーとなって盛り上がります。1週間、ソールドアウトで盛況ですから。イギリス、フランス、ヨーロッパ、アジアそしてアメリカからと、集客のバランスも素晴らしいです」
南仏のゆったりとした空気のなかで、夜中に向けて徐々にエキサイティングになっていく大人のフェス。どこかで一度は参加してみたいものです。
そんな南仏のフェスに、近年、毎夏訪れている松浦さんが思い出す香りは、大きなキャンドルに火をつけたときに漂う香り。
「キャンドルもウッディーな香りが漂うものが特に好みです。リラックス感とスパイシーさをまとって、現実から非現実へとスイッチするというか。その世界に入っていくための道具として、香りは有効ですね」
同じ香りでも、日本でかぐのとは少し感じ方が違うといいます。
「南仏は日本と湿度がまるで違ってカラッとしています。気温は40度を超える日もありますが。香りの漂い方が違う感じがしますね。たとえば、ワインも全然味わいが変わってきます。たとえば当地ではロゼワインをよく飲みますが、日本では甘く感じるものがとても爽やかに飲めたりします。不思議ですね」
ワイン好きの松浦さんは、日本でのクラブイベントで、セレクトした自然派ワインと音楽を組み合わせたりもしています。