雑誌編集長時代の最後の仕事はコンテンツのWEB化。
「最初はWEBをやったら紙はもうダメになると思いました。でも、メンクラWEBも月間1500万PVになった。同時にブログやSNSで自己発信できることは、僕にはすごく向いていたのです。最後のほうは、デジタルが大好きになっていました!」
戸賀さんは49歳で独立を決意しました。
「49歳といえば、ちょうど親父が死んだ歳ですから。思いきってここをゼロとしてまた頑張ろうかな、と」
もう自由にイベントもできれば、様々な企業の仕事も請け負える。人気ブログを追い風に、あちこちから声がかかります。 ファッションや車、モノと、蓄積した知識と感性で自らが1冊の雑誌になったような。
ファスト・ファッションの台頭。クール・ビズなどの働き方改革。新型コロナウィルスによる世界的な自粛ムード。ファッションには必ずしも楽しい時代ではありませんが、戸賀さんは男性ファッションの行方をどんなふうに考えているのでしょうか。
「今は特に外出するハレの場がないですから、ワンマイルウエアがほとんどですよね。着心地の良い、緩い服は中心になっていくとは思います。でも、一方で、男のオーラが出る服は残っていくと思うのです。とりわけスーツというものは、短い文化とはいえ150年の歴史があるのです。スーツというのは男を形づくっていくもののひとつだと思います。『オレは男だ』という瞬間は必要だと思いますよ」
確かにテレワークしているジャージー姿に魅力があふれている男性はいないかも。仕事でもプライベートでもここぞというときにスーツ姿は素敵です。戸賀さんには、オンとオフ、様々なファッションを男性に提案してほしいものです。