新型コロナウィルスの感染対策で、人と人との密な交流が断たれている今。LIVING PHOTOのレッスンもお休みが続いているようですが、今道さんは大忙しです。
「『ブーケ・ド・フォト』というお花をアレンジして撮るクラスがあるのですが、 そのレッスンの方々の前もっての振込みが終わっていたので『返金するか、完成したお花だけをお送りしますが』と打診したところ、皆さん、お花がほしいと言われて。あわてて今までやらなかったほどお花を束ねて、お送りしました」
今道さんは、将来的には、オンラインでのレッスンも考えつつあり、少しずつYou Tubeなどの準備もすすめています。
「今はまだ自分自身の練習で、You Tubeでは、味噌をつくったり、千枚漬けをつくったりしているのですよ。ただ、少しずつ、そういう根本的な食への取り組みにも向かって行こうと考えています」
You Tube 今道しげみ
https://www.youtube.com/channel/UCMwRQO6MsZXxEaKJbwmXxoQ?view_as=subscriber
美しいテーブルセッティングや、おもてなしから、根本的な食へ。そこには、今道さんが実感する人生の転換期があるようです。
「LIFE SHIFTという考え方が最近注目されています。100年生きることを前提に、自分のキャリアをアップグレードし、キャリアチェンジをしていくという考え方です。ちょうど、私はCAは3年だったけど、フラワーデザイナーを志して15年、写真家を志して15年だったのです。57歳になったとき、これからの15年で、食べることの研究家へシフトしていこうと思ったのです」
実際にLIVING PHOTOの授業でも5年位前から「REAL FOOD LIVING PHOTO」と題し、見た目のおもてなしの美しさだけではなく、中身もちゃんとしていくことを心がけてきました。
「食べ物で体はできています。そういうことを女性はエビデンスではなく、本能的にわかっているところがありますよね。たとえば、種無しぶどうって、ホルモンを操作する薬を使って種ができないようにしています。日本はそれが当たり前に食べられているけれど、ヨーロッパでは10種類のうち1種類くらいしかつくっていません。それはやっぱり不自然だからだと思うのです。女性は子どもを育てるために、マルチな能力を潜在的にもっていると私は思います。感情的にも、知性的にも。それを社会が奪ってしまって、自分の子どもに餌のように食べものを与えていたら寂しい。もう一度、ちゃんと食のことを考えるべきだと思うのです」
もちろん、これまでの美しいLIVING PHOTOの意義は大切にしつつ、です。
「幸せな時間を撮る、というのは感謝を伝えることでもあると思うのです。家のなかで完結してしまうだけではなく、それを写真に撮って外に出すことで、励ましてもらったり、見てもらったりすることでまた頑張れます。もともと、LIVING PHOTOは、主婦が家のなかにきちんと居場所を作ろう、家のなかで暮らすことにもっと価値をもたせようというのがコンセプト。これからの生活習慣のなかでも、大事になっていくと思います」。