たくさんの名だたるCFに次々と出演できるというのは、並大抵のことではありません。いったいどんなふうに、仕事がやってくるのでしょうか。
「オーディションもありますし、一度ご一緒した監督から指名してもらうということもあります。やっぱり、監督がいらっしゃるオーディションのほうが私というものを見てもらえる気がしますね。たとえば、本題から脱線した話をしたときの波長が合うかどうかなど。なるべくフラットな状態で赴くようにしています」
オーディションというのは、何十人ものモデルさんに声掛けされることも普通です。しかもそこで合格するのはたった1人。Asamiさんはどんなメンタルで、そのプレッシャーに立ち向かっているのでしょうか。
「見た目はどう見えているかわかりませんが、私、メンタルは弱いほうですよ。根性はあるんですけどね(笑)。ダメだったら反省して、落ちて、また上がって。若い頃はグラグラしながらやっていたかな。でも今は一つ落ちたくらいでは落ち込まなくなりました。次につながるといいなとか、またご一緒できるかなとか思えたり。37歳ですからね、大人になりましたよ!」
メンタルを調整できるようになったのは、身体を調整し始めたことがきっかけでした。
「もともと、体型維持のためにヨガとピラティスを始めてみたのです。そうしたら、ピラティスのほうが効果を感じました。それでどうせやるならちゃんと勉強したくなるので、インストラクターの資格をとるまでやりました。ところが、細かく細かく身体と向き合っているうちに、これは気持ちの整理にもなる、と気づいたのです」
身体が整い、軸ができたことで、メンタルも大きく整っていきました。
「ピラティスで骨、筋肉のバランスもよくなると、五感も鋭くなっていきました。仕事や生活がきちんと整理整頓されて、意識が隅々まで行くようになりました。突然ではなく、徐々に。私がそんなふうに感じられるようになったことを、教える立場になった今、生徒さんたちにも感じてもらえたらいいなと思います。身体の声を通訳しているような感じです」
Asamiさんの無駄のない、けれどしなやかさは保たれた美しい容姿を見ていると、身体と心はつながっているのだなと実感できます。