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ヨガとマントラと、お香が漂う空間を愛して
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    お香が漂う空間を愛して

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 鎌倉・鵠沼でYOGA STUDIO JYOTIを主宰するAkiさんとChakiさんのご夫婦は、ここでヨガとマントラ、そして料理教室を催しています。植物が生き生きと育つ大きな庭のある屋敷では夫のChakiさんがヨガを、そして妻のAkiさんはマントラと料理教室を。新しく建てられた天井の高いキッチンのあるスペースには、心が澄んでいくような空気が満ちています。

「太陽のマントラ」を唱えたら、今までにない安心感を感じた

 鵠沼海岸から少し離れた住宅地。松の木の多い閑静な場所に、ChakiさんとAkiさんが教えるYOGA STUDIO JYOTIがあります。もともとあった屋敷は日本家屋で、広々とした板の間から大きな庭を望めます。そこでChakiさんがヨガを、Akiさんがマントラと料理を教えていましたが、料理を教えるにはもっと広いキッチンがいいだろうと、新しい家を建て増ししました。

「建ててみたら、とても居心地が良くて、ほとんどこちらにいますね」

 そう言って微笑むお二人の空気感もさながら、天井の高さ、木の香り、シンプルで広々としたキッチンは、まさに人を包み込んでくれるような空間です。

 もともとはヨガにもマントラにも縁遠かった二人は、それぞれにインドの文化に出会ったようです。
 Akiさんは大学時代、音響音楽学科でしたが、フォトグラファーを目指していたそう。Chakiさんとの出会いは、導かれたような自然な流れでした。

「ハワイにサーフィンをしにいきながら、写真を撮ったりしていました。当時、葉山にsorayaという店があって、みんなでパーティーをしたり写真展をしたりしていました。そこで、Chakiの姉のゆかさん(チボ・マットの本田ゆかさん)と出会って、ここへ一緒に来たら、Chakiがいたんです」

 当時のAkiさんは、ヨガもマントラも知らなかったそうです。

「ヨガってフィジカルな世界だと思っていたんです。私はスピリチュアルなものを求めていたので、好きじゃなかった」

 ところがそれは大きな間違いだと気づきました。

「すでにその頃、Chakiはヨガを教えていて『ヨガは経験哲学なんだよね』と言ったんです。本当の理解は、経験したり、行動したりして自分のものになる。それでヨガに出会って、マントラも最初はChakiに教えてもらった。『太陽のマントラ』を唱えたとき、今までにはない安心感を感じました」。

新しく建てられた天井の高いキッチン

唱えながら、ハートで感じる。マントラもヨガも経験哲学

 その出会いから、AkiさんはChakiさんと一緒にインドへ行くことに。

「南インドのチェンナイにある”クリシュナ・マチャリア・ヨーガ・マンディラム”というところへ行きました。ヨガを志す人たちがたどり着くような、近代ヨガの祖とされているところでした。そこで、ヨガ歴もゼロの私に『マントラのクラスを取ったら』と。自覚がないまま、入ったんですが、するするとサンスクリット語が入ってきた。耳で覚え、詠唱し、集中して瞑想する。
もともと、日本に初めてサンスクリット語を伝えたのは空海です。仏教のお経とも関係が深いんですね」

 Akiさんの母方の実家は金沢区にある長昌寺。臨済宗建長寺派の由緒ある寺です。直木賞の直木三十五の墓もあり、樹齢700年の柏槙があります。

「観音様の仏像があって、私は観音様が大好きなんです。とても恐れ多いですけれど、顔が似ていると言われるときがあって、とても嬉しいですね」

 そう言って笑うAkiさんは、少し詠唱をしてくれました。穏やかな良い声です。歌うというのとは違いますが、独特のなだらかな節回しがあり、耳に心地よいのです。

「毎年、一度インドに行くと2~3週間滞在するというのを10年続けていました。一言では言えないけれど、自分は変わりました。歳を取ったのもありますが、安定したし、内側の浄化ができた。あらゆるものがポジティブになりました。唱えながら、ハートで感じているんですね」

 ヨガもマントラも、体得したことを教えることがまた修行だと言います。マントラのエネルギーを教えることで言葉にしがたい体験が。

「音楽を聴いたり奏でたりするのとはまた違う、これも経験哲学なんだと思います。ひとり一人が、得難い体験をしているようですよ。とにかく、ざわざわしているときに、内側に平和をもたらしてくれます」。

マントラ本

その時のその人に必要なマントラがあるように、その時のその人に必要な香りがある

 そのマントラの体験は、お香をたくこととリンクしているかもしれないと、Akiさんは感じています。

「香をたく、ということにも『香十徳』という効能がありますよね。あらゆる香りがあって、そのとき、その人に必要な香りというのがある。マントラもそうです。月は沈静、太陽は活性。火の属性が強い人は火のマントラを唱えると、余計に怒りが強くなったりしてしまいます。そんなふうに、香りもその時々に必要な香りがあるのではないでしょうか。たとえば、安らぎたい、浄化したい、というような」

 この日は、Akiさんがお好きだという白檀をたきました。
 白檀も、浄化するような香り。
 そこでこんな言葉が出てきました。

「マントラは捧げるもの。以前は自分を捧げる、という意味がわかりませんでした。意図から結果までを含めて、自分を捧げること。今はそういう気持ちでやっています。捧げると、また受け取るものも素晴らしいんです」

 捧げるものも、受け取るものも、目には見えないもの。
 その循環に気づくとき、心がすーっと穏やかになり、満たされる。
 マントラも香りを聞くことも、まずはやってみることが大事なのです。

鎌倉・鵠沼でYOGA STUDIO JYOTIを主宰するAkiさん


photo by Yumi Saito
http://www.yumisaitophoto.com/
Text by Aya Mori

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